2022 Fiscal Year Research-status Report
視線計測にゲーミフィケーションを取り入れた転倒転落危険予知トレーニング教材の開発
Project/Area Number |
19K10918
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小笠 美春 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (70544550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
當目 雅代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20259435)
天野 功士 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (40756194)
森島 千都子 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (80735879)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転倒・転落 / 危険予知 / 整形外科患者 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献レビューと熟練看護師へのインタビューの結果に基づき、整形外科患者の転倒・転落危険場面の画像を作成し、熟練看護師8名を対象に視線計測を実施した。場面の設定は、右人工膝関節置換術の術後2日目の患者が、車椅子に移乗しトイレで排泄するまでの3場面(場面1:ベッド上端坐位、場面2:端坐位から車椅子への移乗、場面3:車椅子から便座への移乗)とした。 場面1は18エリアを設定し分析した。総観察時間の中央値は20.18秒で、各エリアの総注視時間で長かったものは、足先(1.73秒)、患部(1.48秒)、床頭台(1.44秒)、体幹(1.33秒)であった。各エリアの総注視回数で多かったものは、患部(5回)、ゴミ箱(4回)、足先(3回)、床頭台(3回)であった。観察するまでの時間が最も短かったのは、体幹(0.35秒)であった。 場面2は15エリアを設定し分析した。総観察時間の中央値は35.24秒で、各エリアの総注視時間で長かったものは、車椅子(5.13秒)、ベッド柵(3.47秒)、体幹(1.78秒)、オーバーテーブル(1.76秒)であった。各エリアの総注視回数で多かったものは、車椅子(12回)、ベッド柵(8回)、患部(4回)、体幹(4回)であった。観察するまでの時間が最も短かったのは、頭部(0.42秒)であった。 場面3は13エリアを設定し分析した。総観察時間の中央値は29.23秒で、各エリアの総注視時間で長かったものは、便器(3.23秒)、患部(2.70秒)、頭部(1.93秒)、車椅子ブレーキ(1.84秒)であった。各エリアの総注視回数で多かったものは、便器(10回)、患部(6回)、頭部(4回)、可動式手すり(4回)であった。観察するまでの時間が最も短かったのは、可動式手すり(0.58秒)であった。 現在、明らかになった熟練看護師の認知プロセスに基づき、転倒・転落危険予知シナリオ素材を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れていた「転倒・転落危険場面における看護師の認知プロセスの明確化」において、文献レビューと熟練看護師のインタビュー調査に引き続き、2022年度は視線計測調査を完了した。視線計測調査は当初10名を予定していたが、最終的な対象者は8名となった。視線計測研究の動向を調査した先行研究より、視線計測による認知プロセスは対象者5名程度で推定することが可能であることが明らかにされており、8名のデータで分析を進めた。その結果、整形外科患者の中でも特に転倒・転落リスクの高い人工膝関節置換術後の移乗・移動を伴う排泄動作について、熟練看護師の認知プロセスが明らかにできた。よって、看護学生版転倒・転落危険予知トレーニング教材の作成に向けたシナリオ素材を精錬していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年8月を目標に、転倒・転落危険場面のシナリオパターンを作成する。その後、EMR ACTUSに組み込んだPerceive Checkerに適用し、看護学生版転倒・転落危険予知トレーニング教材を作成する。 2024年3月を目標に、作成した教材を用いて転倒・転落危険予知トレーニングを実施し、教材の有効性を検討する。
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Causes of Carryover |
理由:研究の進行が遅れており、それに伴い研究費の執行も滞っている。2022年度は情報収集のために参加予定であった学会がオンライン開催となり、旅費が発生しなかった。 使用計画:トリガとなる学生の視線データをより詳細に分析するために、EMR ACTUSに組み込んだPerceive Checkerソフトプログラムにおいて、通過シナリオ得点を算出する機能を、(株)日進機械に開発・追加してもらうために経費を使用する。また、視線データ分析に精通した研究補助者を雇用し、謝礼の支払いを行う。これまでの研究成果を発表するための学会参加費や論文投稿費に経費を使用する。
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