2019 Fiscal Year Research-status Report
出産後心的外傷ストレス発症のリスクアセスメントツールの開発と実用性の検証
Project/Area Number |
19K10974
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
齊藤 佳余子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60401808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 京子 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60363868)
松井 弘美 富山県立大学, 看護学部, 教授 (70515725)
長谷川 ともみ 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (80262517)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Traumatic Childbirth |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、出産後心的外傷ストレス発症を予防するためのリスクアセスメントツールの開発を行い、その信頼性と実用性を検証することである。 出産を契機とする心的外傷後ストレス症状のリスク要因は、多岐にわたって報告されており、看護者が産褥の短い入院期間中にすみやかに、リスクをアセスメントするには限界がある。そこで、出産が原因となって生じる心的外傷ストレス症状発症を予測することができるスクリーニングツールの開発が求められているが、国内において未だ開発されていない。 アセスメントツールの開発には、先行研究の文献レビューや質的研究の結果などから構成概念を概念化し、測定用具の全内容領域をとらえる必要がある。そこで、令和元年度は、国内外の先行研究より、リスクアセスメントツールの構成概念を明らかにすることと項目を作成すること、作成した項目の内容妥当性の検証を行うことを目的とした。 先行研究の文献レビューの結果、出産を契機とする心的外傷後ストレス症状のリスク要因は、①産科的要因、②個人特性 ③出産に対する個人の認知 ④社会心理的要因に分けられた。概念にそって、アセスメントツールを作成した。今後は、当該施設の倫理審査委員会を経て、作成したアセスメントツールの内容妥当性について検証するため、アセスメントツールを看護職(助産師、保健師)20名程度を対象とし、項目の内容妥当性についてアンケート調査を行う。アセスメントツールの項目ごとに、4段階で妥当性の回答を求め、評定者間一致度指数と内容妥当性指数(Content validity index)を計算、項目を精査したのち、信頼性の検証に移行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作成したアセスメントツールの項目の中に、一部、対象によっては精神的苦痛等が生じる可能性があるものが含まれているため、侵襲に対し、どのような配慮と対応が必要であるか考慮するのに時間を要したこと、新型コロナウイルス感染症の影響により、内容妥当性を検討する上で対象として考えていた地域の保健師、助産師等の専門家への依頼、承諾を得るプロセスがスムーズにいかず、時間を要していること等により、倫理審査委員会に研究計画を提出することが遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、倫理審査を経た後、対象者(大学教員・保健師・助産師)にアセスメントツールの項目の内容妥当性について4段階で回答を求め、評定者間一致度指数と内容妥当性指数(Content validity index)を計算、項目を精査、アセスメントツールを作成する。その後、アセスメントツールの信頼性の確認のため、入院中の母親を対象とし、アセスメントツールを用いて調査を実施し、アセスメントツールの信頼性の確認を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、関係機関に依頼し、保健師、助産師を対象に項目の内容妥当性を検討する予定であったが、アセスメントツール項目の作成にとどまり、対象者に対し調査研究を行うことができなかった。 今年度と翌年度分として請求した予算で、内容妥当性を検討する際の対象者や信頼性を検証するための対象者にアンケート調査する際に必要な経費、研究機関までの交通費、研究グループメンバーとの会議費等に使用を計画している。
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