2020 Fiscal Year Research-status Report
Effects of health literacy and school health participation on school enrollment for Palestinian students
Project/Area Number |
19K11045
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤屋 リカ 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (40583935)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70196674)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ヘルスリテラシー / 学校保健 / パレスチナ / 紛争 / 混合研究法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目である2020年度は、質的調査としてキーインフォーマント(教育省関係者、校長、保護者、生徒)インタビュー調査と、青少年(生徒)を対象とした量的調査のパイロット調査及び本調査を予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染症蔓延のため、現地調査を実施できなかった。オンラインでの実施も検討したが、質的調査については、新型コロナウィルス感染症の蔓延で外出禁止や学校閉鎖などの特殊状況がバイアスになる可能性が高いため、対面での実施が可能になってからの実施が良いと判断した。量的調査(アンケート調査)についてもオンライン実施を検討したが、研究対象が中高学生でありオンラインツールを用いてのアンケート回答は困難と判断した。 そのため、現地調査の事前準備を行った。インタビュー調査については、インタビューガイドをアラビア語で作成した。アンケート調査については、本研究の前段階の研究で調査を実施し本研究でも用いる予定のアラビア語版の青少年のヘルスリテラシー尺度について、その信頼性と妥当性の検討した論文を国際誌に投稿し受理・掲載された。また、同じく前研究の調査での学生のヘルスリテラシーに関わる因子について分析した論文についても国際誌に投稿し受理・掲載された。それらの結果も踏まえて、本研究のアンケート項目を設定してアンケート用紙を作成し、アラビア語に翻訳した。 また、中東地域における青少年のヘルスリテラシーについての状況を把握、現地の青少年のヘルスリテラシーを評価していくために、PROSPEROにレビュー要旨を登録しシステマティックレビューを行い、論文を執筆し、国際誌への投稿に向けて取り組んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延により、パレスチナへの渡航が困難になった。また、パレスチナ内でも感染が拡大し外出制限や入域制限など様々な対策が取られ、現地協力大学に、調査を依頼することもできない状況になった。パレスチナ及びパレスチナに入域するにあたって通過しなければならないイスラエルの新型コロナウィルス対策も影響している。そのため、現地での調査の見通しは立っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021度は、新型コロナウィルス感染症蔓延の収束状況を鑑みて、2020年度に予定していたが実施できなかった現地調査について共同研究機関であるビルゼイト大学と密に連絡を取りながら、是非を検討する。現地調査が可能になった段階で、質的調査としてキーインフォーマント(教育省関係者、校長、保護者、生徒)インタビュー調査を実施、また、量的調査のパイロット調査を実施する。量的研究の本調査は状況が整えば11月頃に調査の実施を予定している。パレスチナの新学年は9月に開始することを考慮し、調査時期を設定している。パレスチナ自治区・ラマッラー地区とベツレヘム地区のA地区(パレスチナ自治政府管轄下)、B地区(行政はパレスチナ自治政府管轄下、治安はイスラエル管轄下)C地区(イスラエル管轄下)の対象者〈15~16歳、n=1,000)に対して、青少年用ヘルスリテラシー尺度による評価、健康状態、紛争の影響及び学業継続の意思、に関して自記式でのアンケート調査を実施する予定である。 調査によって得られる個人データは基本的に個人の特定はできない。ただし、紛争による影響について専門家による心理的サポートが必要とされるケースが発生した場合は、現地の専門家と連携して対応策を講じる。 データ収集後、データ入力、量的データ分析を実施し、共同研究者により結果を議論し論文にまとめていく。
|
Causes of Carryover |
2010年度は新型コロナウィルス感染症蔓延のため、パレスチナでの現地調査が行えず、予算通りに執行できなかった。状況をみながら、2021年度に現地調査を計画しており、2020年度の残余分を充てる予定である。
|
Research Products
(3 results)