2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Situation Index that Triggers Family Nursing in the Field of Child Health Nursing
Project/Area Number |
19K11052
|
Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
西元 康世 四天王寺大学, 看護学部, 講師 (60458015)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
法橋 尚宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60251229)
松木 優子 (平谷優子) 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60552750)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 小児看護 / 家族看護 / 家族支援 / 家族支援シチュエーションインデックス / 場面 / 事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,小児看護学領域において,看護師が家族看護問題を認識する場面(シチュエーション)をリスト化し,家族支援の介入を始める糸口となる家族支援シチュエーションインデックスの開発をすることを目的としている.2020年度に140本の文献より,事例を抽出し,事例における子どもの状況,子どもの年齢,看護師が必要性を認識した場面の記載内容,行われた家族支援を整理した.2021年度は,2020年度の内容をもとに,子どもの状況(子どもにある基礎的疾患と入院の契機となる健康問題)をさらに詳細に分析した.ひとつの文献に,複数の事例が記載されているものを含め,171の事例が分析対象となった.子どもの状況では,悪性新生物が24事例,脳・神経・筋疾患が23事例,新生児(低出生体重児)が18事例,染色体・遺伝子に変化を伴う症候群が15事例と多く,その他(肥満や泌尿器疾患),呼吸器疾患,消化器疾患,腎疾患,心疾患,疾患なし,重症心身障害児が7から10事例と続いた.疾患なしは,身体的な健康問題はないが,虐待が疑われる事例や親の終末期などが含まれた.さらには,精神科系疾患・発達障害,事故・外傷,代謝異常,免疫疾患,膠原病等がそれぞれ数事例含まれた.悪性新生物の事例では,終末期における家族の苦悩を目の当たりにする場面で家族支援の必要性を感じている場面が記載されていた.脳・神経・筋疾患の事例では,感染症等を起因として急性脳症となり,重度の後遺症を残す場合に突然の子どもの変化への受容が難しい家族を認識した場面や子どもの世話における負担が過重になっていると感じた場面などがみられた.一方,新生児(NICU入室児・低出生体重児等)の事例においては,在宅医療への移行の場面もみられるが,多くは,出産後すぐNICUに入室するような事例には,家族支援が必要であることが前提として看護実践がなされていた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
171の事例から,家族支援の必要性を認識する場面は多岐にわたっており,記載方法が様々であった.それらの内容を整理し,場面として捉える作業に膨大な時間を要した.また,COVID-19による新しい生活様式の中で,研究以外の様々なことに例年以上に時間を要しており,研究時間の確保が難しい状況も加わって,当初より遅れてしまっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
文献検討内容から,看護職者へのインタビュー調査を速やかに開始する.ただし,現在新型コロナウィルス感染症への対策により,対面でのインタビューなどは難しい場合も多くなることが考えられる.これらを見越して,オンラインインタビューなども取り入れた調査方法を再検討した上で,研究を進める.
|
Causes of Carryover |
前年度より研究の進捗が遅れていたが,今年度はやや進んだものの,遅れを全て取り返すには至らなかった.また,学会参加による情報収集や意見交換,成果発 表などを予定していたが,COVID-19の感染拡大に伴い,教育業務との兼ね合い上,参加を断念せざるを得ない状況が続いた.これらにより,次年度使用額が発生してしまった. 今後は,まだ国際学会への現地参加は難しそうであるため,オンライン開催が早期に決定している学術集会への参加を進めていく.
|