2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K11068
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堀田 法子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90249342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 晋作 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (60750883)
赤羽根 章子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (70839357)
山口 孝子 (久野孝子) 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (90315896) [Withdrawn]
渡邉 梨央 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (20845549)
上田 敏丈 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (60353166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特定妊婦 / 児童虐待 / SCAT |
Outline of Annual Research Achievements |
特定妊婦の心身や社会的状況の現状および助産師の支援内容や支援の困難さなどの問題を明らかにし、特定妊婦への支援スキルを検討することを目的に、2019年6月~9月まで10名のA市の特定妊婦家庭訪問を行っている助産師に個別に半構成的インタビューを行った。インタビュー内容は、妊婦の問題(身体・精神・社会的状況)、子ども家族、環境問題について、特定妊婦自身がどのような対処行動をとっているか、とれていないか(どのように向き合っているか)、その時の助産師の支援内容や関わりの難しさについてである。 特定妊婦の心身や社会的状況の現状および助産師の支援内容や支援の困難さなどの問題を明らかにすることで、特定妊婦への支援スキルが向上し、児童虐待の予防につながることが期待できる。支援スキルの中でも、特定妊婦の対処行動の変容についての支援に注目したい。人が自分の状況に合わせて対処行動を組み合わせてストレスマネージメントする必要があるため、その支援をすることで、特定妊婦の虐待予防にもつながると考える。 インタビュー内容から50事例の支援内容が導き出せた。分析方法は、SCAT(Steps for Coding and Theorization)を用い、一事例をSCATで分析して構成概念を出し、それを他の事例に当てはめてみて、重なっていないデータを追加していくこととした。 SCATで分析した若年妊婦の一事例を「若年の特定妊婦の状況および助産師の効果的支援-SCATによる一事例の検討―」のテーマで、2020年度日本小児保健協会学術集会に発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象者の協力が大変良く、インタビューが順調に行われた。対象者は研究目的や意義に対して非常に理解があり、協力的であった。インタビュー内容から、50事例の分析を進めることができた。 研究分担者に、質的研究、SCAT(Steps for Coding and Theorization)の専門家を追加したことで、分析が順調に進んだ。 今後は、インタビューは既に終了しているため、分析を進めていく。第二研究では、特定妊婦を対象にアンケート調査を進める予定だが、第一研究のインタビュー内容から考えると協力が得られることが困難であることも予想される。その場合は、人数を限定した質的研究に切り替えることも検討する必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
第一研究では、A市の特定妊婦家庭訪問を行っている助産師から、妊婦の問題(身体・精神・社会的状況)、子ども家族、環境問題について、特定妊婦自身がどのような対処行動をとっているか、とれていないか(どのように向き合っているか)、その時の助産師の支援内容や関わりの難しさについてインタビューした。現在インタビュー内容から50事例の支援内容が明らかになった。これらの事例をSCATで分析し、構成概念を積み上げていく予定である。 第二研究では、効果的な対処行動を検討するため、特定妊婦を対象としたアンケート調査を考えている。アンケート内容は、対処行動についてである。 第一研究、第二研究から、特定妊婦に対し、良好な対処行動(対処行動の変容)がとれる よう支援スキルを提案する。第二研究では、特定妊婦の対処行動(積極行動型・積極認知型・気晴らし型・回避型コーピング)と対児感情、母性意識、育児困難感の関連について明らかにし、効果的な対処行動を検討する。第一研究、第二研究から、特定妊婦に対し、良好な対処行動(対処行動の変容)がとれるよう支援スキルを提案する。
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Causes of Carryover |
今年度は、質的研究を分析するソフトが高額のため検討に時間を要し、購入に至らなかった。来年度には購入する予定である。
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