2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K11068
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堀田 法子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90249342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 晋作 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (60750883)
赤羽根 章子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (70839357)
山口 孝子 (久野孝子) 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (90315896) [Withdrawn]
渡邉 梨央 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (20845549)
上田 敏丈 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (60353166)
木村 奈緒美 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (80791524)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 特定妊婦 / 訪問助産師 / 若年妊婦 / 精神障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定妊婦の抱える問題と訪問する助産師の支援・課題を明らかにすることを目的に、A市で特定妊婦を訪問する助産師10名に半構成的面接を行い、若年特定妊婦及び精神障害をもつ特定妊婦についてSCAT(Steps for Coding and Theorization)の手法を用いて分析した。 助産師の語りから若年特定妊婦事例14例を抽出しした。若年特定妊婦は、慣習面、金銭面、健康面、成育面などの生活基盤が不安定で、育児に向き合う姿勢の弱さ、育児技術のなさ、育児を行う家族間の関係性の不安定さがみられた。特に、若年ゆえ自己活動を優先し、育児への姿勢が弱い面が特徴的であった。助産師は、行政等と連携を取り、育児に協力可能な家族間の調整をしながら、若年特定妊婦に包容的にかかわり、育児指導を行い、子どもとの愛着形成を目指し支援していた。助産師は、若年特定妊婦の個別性を見極め、必要と考えられる連携的支援、指導的支援、愛着育成的支援、包容的支援、育児者間関係調整支援を実施し、安定的育児関係構築へと導いていた。 また、助産師の語りから、精神障害をもつ特定妊婦事例は12例抽出した。精神障害をもつ特定妊婦は、自立した受診行動が取れないことで起こる心身の不安定、対人関係の困難さ、精神状況や知的能力の程度により起こる育児技術習得の困難さ、養育環境調整の困難さ、子どもへの愛着形成が進まない状況などがみられた。訪問助産師は、包容的な態度で接し、病院受診の同行、自宅での母体管理、理解力の考慮と心身の負担軽減となる育児技術習得への支援を行っていた。また、多職種、他機関との仲介的役割で連携し、特定妊婦への母親役割遂行のための支援を行っていた。支援する上で、特定妊婦の疾患や特性に対する知識や理解の不十分さ、多職種との支援の方向性の相違を感じていた。 以上、特定妊婦の特徴と支援内容、支援の難しさについて分析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、家庭訪問を行う助産師を対象とした調査は終了し、現在学会に2つの論文を投稿している。査読中であるため、概ね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、家庭訪問を行う助産師を対象とした調査については学会に論文を投稿し査読中のため、掲載できるように進行する予定である。 また今年度は、分娩で入院中の特定妊婦の問題、支援、課題について、病院勤務助産師を対象に調査を追加している。研究倫理委員会から承認されて、5月にはインタビューを実施し、今年度中には論文を作成し、投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度は、投稿中の論文が査読中であり、掲載料が発生していないこと、新型コロナ感染症により、学会の旅費が発生しなかった。 次年度は、論文掲載料、追加調査の協力者への謝金、分析用の機器、分析過程の研究補助者への謝金等で使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)