2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a self-stress management education program for expatriates and their families
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19K11229
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
亀井 縁 四天王寺大学, 看護学部, 准教授 (90624487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 篤郎 東京医科大学, 医学部, 教授 (10164906)
松永 優子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (70459204)
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
山岡 由実 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (00326307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 海外駐在員 / 海外駐在員家族 / セルフストレスマネジメント / 教育プログラム / メンタルヘルス / 日系企業ではたらく中国人従業員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3年間で海外駐在員とその家族に向けたセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することである。 2019年度は,先行研究の成果物である「海外勤務者ノート」と「海外勤務者家族ノート」(以下,ノート)の改訂をすることが到達目標であり,2つの研究を実施した。1点目は,海外に従業員を派遣している企業の産業医や看護職を対象にしたアンケート調査である。ノートの目的や使用方法を説明し,実際に記入することを通してアンケートへの意見を求めた。アンケートの結果,メンタルヘルスのセルフマネジメントのツールとして,必要な内容である,使用してみたいとの意見があったが,赴任前研修会などで導入するには,ノート記載時間の短縮が必要であること,具体的な記載の説明が必要であることが課題として見出された。これらの結果をもとに現在,ノートの内容を修正中である。2点目は,上海の日系企業で働く中国人従業員を対象としたインタビュー調査である。これまでに,邦人海外駐在員を対象としたストレス要因の研究は多くなされてきたが,日本人と一緒に働く現地従業員を対象としたストレスの研究は見当たらず,従業員のストレスに着目した。11名の日系企業で働く中国人従業員にインタビューが実施でき,現在,インタビュー内容を質的に分析中である。中国人従業員のストレス要因や内容が明らかとなれば,職場環境の改善や日本人上司の関わり方などに示唆を得ることが出来る。 また,新型コロナ肺炎の感染により,海外駐在員とその家族の不安も多大であることが推測されるため,2種類のノートを公開し活用していただけるよう海外駐在員と家族のメンタルヘルスサポートHPを作成し (https://expatriates-mentalhealth.net/) 2020年4月1日から公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画に加え,研究成果物の「海外勤務者ノート(単身用)」と「海外勤務者家族ノート(帯同家族用)」を自由にダウンロードできるHPを開設した。このHPは、新型コロナ肺炎の感染拡大により、帰国が制限され赴任地で不安な状況にあることが推測される駐在員とその家族の皆様のメンタルヘルスのサポートを目的として,急遽開設した。また,現在,新型コロナ肺炎の収束の見通しが立たない状況では、上海をフィールドとした研究調査は難しいことが予測でき,海外駐在員とのネットワーク確立のためにも有効であると考えたからである。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,赴任前と帰国後の研修会を国内での実施(各1回/国内)と上海にてワークショップを開催する予定であるが,新型コロナ肺炎に関する国内および上海の感染状況をみながら,研修会の開催や上海での研究の実施については検討することが必要である。国内の状況や海外への渡航制限などから、予定している開催ができない可能性がある。その場合は,オンラインで開催するなどの方法の変更や研究内容の見直しが必要となる。状況をみながら研究者全員で検討していきたいと考えている。 また,ノートの内容改訂については,前年度の中国人従業員調査結果をもとに,修正内容を明確にし,ノートの改訂をする。
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Causes of Carryover |
2019年度の研究計画は,海外勤務者ノートの改訂および赴任前と帰国後研修の企画であった。ノートの改訂に向けて,日本人駐在員側からの意見だけでなく,中国人従業員からの意見を収集し双方の意見を反映した改訂が必要であると考えた。そこで,上海の日系企業で働く中国人従業員を対象としたストレスに関する聞き取り調査を計画したが,現地での研究協力施設のリクルートに困難が生じ,研究説明や対象者のリクルートのための現地訪問回数が1回から2回に増加したこと,中国文化に配慮したリクルート方法や謝礼・交通費の支払いに関する習慣を取り入れた結果,初年度の研究費が不足することとなった。 2020年度は,ノートの改訂と研修会の企画,上海でのワークショップの開催である。国内と上海にて研修会およびワークショップの開催を企画予定であるが,新型コロナ肺炎の拡大により開催できない可能性がある。状況をみながら,方法の変更や研究内容を検討する。上海の現地研究協力者との調整は概ね2019年度に終了しているため,初年度の結果をまとめたのち,Web会議にて検討し,渡航費用を削減する予定である。
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Remarks |
2020年4月1日公開
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Research Products
(1 results)