2021 Fiscal Year Research-status Report
行政保健師のグローバル・コンピテンシー強化のための教育プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
19K11272
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小寺 さやか 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (30509617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中世古 恵美 姫路獨協大学, 看護学部, 講師 (00513425) [Withdrawn]
田中 祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10535800)
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (20321276)
井上 清美 姫路獨協大学, 看護学部, 教授 (20511934)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行政保健師 / グローバル / コンピテンシー / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
日本社会のグローバル化を背景に、地域住民に多様な文化的背景を持つ人々が増加し、地域住民の健康の保持増進を支援する保健師にも文化的理解や国際性が求められている。本研究ではグローバル社会において行政保健師に求められる能力を強化するための教育プログラムを開発し、その効果を検証することを目的としている。2021年度は、グローバル社会において保健師に求められるコンピテンシーの信頼性・妥当性を検証するための全国調査について、倫理委員会の承認を得た。暫定版指標は6領域24項目から構成された。また、本研究の基盤となった研究データより、行政保健師が外国人住民に対して文化的に配慮したケアを提供するために必要な態度やスキルを分析し、6th International Conference of Global Network of Public Health Nursing (2022年1月開催)で発表した。保健師には、「異文化への関心と出会い」「保健師活動の本質の重視」「柔軟な思考と対応力」「外国人住民に対する個別支援の蓄積」の4つのカテゴリが見出された。これらの結果から、外国人住民を含むすべての住民の健康に責任を持つという保健師の活動理念が、文化的に配慮したケアを提供するための基盤となっていることが明らかとなった。また、保健師には柔軟な対応が求められることから、外国人住民に対する固定観念や偏見が、文化的に配慮したケアを提供する際の障壁になっている可能性が示唆された。さらに、ケーススタディなどを通じて、外国人住民の健康ニーズへの対応経験を蓄積し、他の保健師と共有することや、異文化との出会いが保健師の文化的感受性とケアの質の向上に寄与する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
行政保健師を対象とした全国調査について、COVID-19感染拡大による保健師業務の逼迫が継続しているため、2020年度に引き続き2021年度も実施を見送った。しかし、既に倫理委員会の承認を得ているため、すぐに実施できる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、行政機関に所属する保健師を対象に、グローバル社会に対応できる保健師に必要なコンピテンシーの修得を目的とした教育プログラムの開発を目指している。COVID-19感染拡大への警戒は解けないものの、COVID-19に係る保健所体制の整備が進んでいることから、保健師を対象とした量的調査を実施する。また、本研究で計画しているプログラム介入について,内容的妥当性及び教育介入を目的に、先ずは興味関心のある行政保健師を募り、遠隔講義による学習会を実施する。
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Causes of Carryover |
2021年度に実施予定であった全国質問紙調査を延期したことが主な理由である。次年度に調査を繰り越すとともに,学習会の開催,学会発表,学術雑誌への投稿等を実施し,予定している助成金を使用できる見込みである。
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Research Products
(2 results)