2020 Fiscal Year Research-status Report
急性期後早期の精神障害者に対する訪問リハビリテーション介入の確立
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19K11298
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四本 かやの 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (10294232)
田中 究 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20273790)
藤本 浩一 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20467666)
平良 勝 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30444574)
大畠 久典 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (40726014)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精神科訪問リハビリテーション / 生活行為向上マネジメント / 作業療法 / 訪問看護 / 社会機能 / 精神障害者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神障害の急性期後早期から実施可能な精神科訪問リハビリテーション介入技法を確立し、その効果について検証することを目的として研究遂行中である。2020年度は、「生活行為向上マネジメント(Management Tool for Daily Life Performance; MTDLP)を用いて訪問リハビリテーションの重度精神障害者の社会機能に対する改善効果を検討した。MTDLP訪問作業療法(OT)介入群は、対照群(通常訪問OT介入群)よりも、重度精神障害を有する者の再入院率は減り、社会機能が向上し、就労率が高まることを、RCT多施設共同研究によって明らかにした。研究成果の一部は国際英文誌、国内邦文学会誌上にて、また第54回作業療法学会において報告した。 急性期後早期に退院した精神障害者は、地域生活再開時においても急性期症状が残存することが多く、また急性期症状が遷延化・慢性化した精神障害者は、急性期症状を持つ患者と同様に、安定した対人関係構築が困難である。そのため、これら重度精神障害者の家族の心理的・身体的な介護負担は大きい。患者と家族との緊張が高まることは、再発因子の1つとなる。そこで、訪問看護・リハビリテーションにおいて重度精神障害の家族の健康度をチェックするという介入が、対照群に比べ家族の介護負担を有意に減らすことをランダム化対照比較研究によって明らかにした。また、訪問という直接的介入を受け入れることに消極的な患者に対してはICTを用いた介入が有効なことが近年報告されつつある。そこで、ケータイ・スマホによるテキストメッセ-ジ配信によって、地域生活する精神障害をもつ患者の援助希求行動が有意に増えることを明らかにした。これらの成果は国際英文誌上で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延によって、訪問リハビリテーションや訪問リハビリテーション介入研究を実施することに制限が生じることがある。その結果、症例数を増やすことが困難となりがちであり、また、臨床研究を発展拡大する上で制限がかかりやすい。
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Strategy for Future Research Activity |
感染予防対応しながら研究を実施している。加えて、新型コロナ感染症蔓延下でも実施可能なサイズの比較対照研究とすること、事例研究を実施すること、また、すでに実施した研究を新たに研究テーマに沿って詳細に分析することによって、当初に計画した通りの知見を得ることができるように対策し研究を推進している。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況に合わせて、旅費および物品費を次年度の使用としたため。
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Research Products
(21 results)