2022 Fiscal Year Research-status Report
DNAメチル化に着眼した母体高血糖によるエピゲノム記憶の解析と先制医療への応用
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19K11642
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 直市 九州大学, 大学病院, 助教 (70419547)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DOHAD仮説 / 母体高血糖 / エピゲノム記憶 / 網羅的DNAメチル化解析 / 転写(共役)因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
出生前後の代謝臓器としての肝臓の機能成熟について解析するため、トランスクリプトーム解析とメチローム解析を行なった。乳仔期においては劇的なDNAメチル化の変化と協調した遺伝子発現の変化を生じることを見出し、これらの統合解析により出生前後の肝臓の機能成熟に必要な経路が時期・遺伝子特異的にDNA脱メチル化を介し機能成熟することを明らかにした。In silico解析によりDNAメチル化の変化に関与する複数の制御因子を同定し、蛋白-蛋白相互作用の解析によりそれらの制御因子が協調して肝臓の機能成熟に関与することを明らかにした。HNF4αは乳仔期の肝臓のDNAメチル化の変化において中心的な役割を果たす転写因子となったが、ER-Creシステムより時期特異的に肝臓でのHNF4αを欠損させることができるマウスを用い、出生前後におけるHNF4αのDNAメチル化における意義や代謝表現型に及ぼす影響について生体レベルでの解析を進めている。 また母体高血糖が出生前後の肝臓の機能成熟に及ぼす影響やDNAメチル化の関与についても解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAメチル化の網羅的解析とマイクロアレイの統合解析に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点における研究成果を論文化し、投稿中である。 研究成果をより発展させ、出生前後の環境要因が胎児に及ぼす影響についてより詳細な解析をすすめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
マウスの系統樹立がすすみ、予定していた飼育費・維持費と差分が生じたため。
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Research Products
(1 results)