2019 Fiscal Year Research-status Report
子宮内プログラミングによる肥満発症に対する母親の咀嚼運動の効果に関する多角的研究
Project/Area Number |
19K11679
|
Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
山田 久美子 名古屋女子大学, 健康科学部, 講師 (70737189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 貴子 名古屋女子大学, 健康科学部, 講師 (60737203)
飯沼 光生 朝日大学, 歯学部, 教授 (70184364)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 咀嚼運動 / ストレス / 子宮内プログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
実験モデルマウスは、妊娠マウスにストレス負荷や咀嚼運動を行わせることによって作製した。妊娠12日目から出産まで1日3回、各45分間、妊娠マウスを筒の中で動けなくする拘束ストレスを負荷する群、ストレス条件下で、同時に木の棒をかませる咀嚼運動をさせた群およびストレス負荷も咀嚼運動もさせなかった群に分け、各群の母マウスから出生した仔マウスを、それぞれ「ストレス群」、「咀嚼群」および「対照群」とした。各群の離乳期の仔マウスについて、体重、脂肪量、血中レプチン濃度、qPCRによるレプチン受容体とPPARγの発現を定量することによって、母体のストレスと咀嚼運動が離乳期の仔マウスにおける肥満発症因子にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。 各群の母マウスから出生した仔マウスの離乳期における体重は、ストレス群で重くなる傾向がみられたが、3群間に有意な差はみられなかった。血中レプチン濃度についてもストレス群でやや上昇する傾向がみられたが、3群間に有意な差はみられなかった。摂食中枢である視床下部におけるレプチン受容体の発現量は、対照群と比較して、ストレス群と咀嚼群で有意に減少することが確認された。 離乳期仔マウスの大腿骨と脛骨から採取した骨髄間葉系幹細胞(MSC)は、BrdUアッセイにより、対照群と比較しストレス群で分裂能力の上昇が確認された。また、脂肪細胞の形成に関連するPPARγとレプチン受容体の発現については、どちらもストレス群で発現量の上昇が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度実施予定であった腸内細菌叢解析について、試料の採取のみで、解析が完了できなかった。また、咀嚼群の解析が遅れており、骨髄間葉系幹細胞の解析については咀嚼群との比較ができず、当初の計画からはやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の研究計画に従って、今年度と同様に実験モデルマウスを作製し、血中ホルモン濃度や転写因子などの発現量解析を引き続き行い、離乳期における肥満発症関連因子について検討する。また、令和元年度に実施できなかった腸内細菌叢解析などについても今年度に行う予定である。
|
Causes of Carryover |
(理由) 令和元年度実施予定であった腸内細菌叢解析について、解析が完了できなかった。そのため、解析などにかかわる費用が次年度に使用する予算として残った。 (使用計画) 今年度実施できなかった腸内細菌叢解析は、令和2年度に実施する予定である。
|
Research Products
(2 results)