2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the interaction between food preference and biological clock in monkeys
Project/Area Number |
19K11739
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横田 伸一 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (10743239)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 嗜好性 / 給餌性同調 / 体内時計 / 霊長類 |
Outline of Annual Research Achievements |
食生活の乱れはバイオロジカルリズムの破綻に繋がり、やがては病気への進展を招く。食餌中のカロリーや糖質が摂食行動を亢進し、体内時計を同調させることが分かってきている。しかし、栄養学的な要素を除く食べ物の味や食感など嗜好特性については、実験小動物で客観的に評価することが難しく、食べ物の嗜好性とリズム障害、健康、疾患との関係は科学的に解明されていない。本研究ではサルを用いることで、ヒトの感覚に類似した食餌の嗜好性の評価を可能にする。サルにおいて概日リズム障害モデルを構築し、食餌嗜好性が体内時計の同調機構に及ぼす影響を検討する。本年度は、in vivo環境下でサルの行動量と体温変動を24時間連続して記録するシステムを構築し、また簡便な手法で時計遺伝子の変動をモニターできる評価系の構築を行った。ヨザルの腹腔内(腹壁)に送信機を外科的に埋め込み、テレメトリーシステムにより24時間連続して行動量と体温変動を記録した。記録した生データは、生体リズム解析ソフト(ClockLab)にてアクトグラムの作製を行った。一方、時計遺伝子の変動をモニターするため、ヨザルの顔ヒゲを5~10本ほど抜去し、毛根細胞から核酸抽出を行って、時計遺伝子(Per1、Per2、Per3、およびBmal1)の発現量をリアルタイムPCRで評価する系を確立した。ヨザルにおいては、Per1およびPer3が綺麗な周期性を示すことが明らかとなった。また、Per1,2,3とBmal1がおよそ逆位相になることも確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、空調施設等の老朽化により、テレメトリーシステムを導入してある実験飼育室の全面的な改修工事が実施され、本研究に取り組める期間がほとんどなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度できなかった検討は、次年度に実施する。
|
Causes of Carryover |
本年度は、サルのサーカディアンリズムの測定に用いていた実験飼育室が改修工事によって使用できず、本研究に取り組める期間が短かったため、十分な検討が出来なかった。そのため、次年度でそれらを含め全ての検討を実施する予定である。
|