2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on Estimation of User Subjective Evaluation while Watching AV Contents from Various Angles
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19K11932
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
亀山 渉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90318858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 睦 早稲田大学, 理工学術院(国際情報通信研究科・センター), 客員主任研究員 (50399507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AVコンテンツ / 主観品質評価推定 / 満足度 / 興味度 / コンテクスト / センサ情報 / 生体情報 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
AVコンテンツ視聴時におけるユーザの映像品質に対する主観評価を効率よく、かつ、精度よく推定する手法について研究を行った。具体的には、従来のアンケートによるMOS評点によらず、ユーザに装着する各種の生体情報測定器及びセンサ、並びに、ユーザが使用するデバイスから得られる多次元情報から主観評価を推定する手法を検討した。(1)固定されたモニタ環境での主観評価推定、(2)モバイル端末環境での主観評価推定、の二つの研究課題を設け、(1)ではAVコンテンツに対するユーザ満足度やユーザ興味度を考慮した主観評価推定方式、(2)ではそれらに加えてユーザのコンテクストも考慮した主観評価推定方式を確立することを目的としている。 (1)に関して、実際の視聴場面を想定した「ながら視聴環境」でビットレート変化を伴うAVコンテンツを視聴する際の主観評価推定実験を行った。実験の結果、ランダムフォレストによって主観評価を高い精度で推定できること、ながら視聴の有無を分けて学習すればより高い推定精度が得られることが分かった。一方、映像に注視する実験環境下で、ビットレートが変化するAVコンテンツの主観評価をスライダを使用して時系列で取得した実験では、同様にランダムフォレストによる推定精度が高く、また、被験者の満足度及び興味度を説明変数に加えると、より高い精度で主観評価推定が行えることが分かった。 (2)に関して、被験者に1週間に渡り実際の生活の様々な状況下でスマートフォンによってAVコンテンツを視聴してもらい、アンケートでは主観評価及びコンテクストを取得する実験を行った。各種の機械学習方式でコンテクスト推定精度を比較したところ、SRCによって90%以上のコンテクスト推定精度が得られた。また、ランダムフォレストによって85%以上の主観評価推定精度が得られたが、コンテクストの有効性は確認できず、今後の課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題(1)及び(2)において、2019年度は、当初の計画通りに研究を遂行することができた。研究成果について、研究課題(1)に関して国内学会発表2件、研究課題(2)に関して国際学会発表1件及び国内学会発表1件を行い、予定通りの研究成果公表を達成したと考える。なお、2019年度の研究成果の一部は未発表となっており、これらについては更に検討を重ねて、2020年度に研究発表を行う予定としている。 本研究では被験者の個人関連情報を伴うデータを扱うことから、被験者の同意を得ると共に、人権、個人情報保護及び安全対策について必要な処置を講ずる必要がある。そのため、研究者が所属する機関の人権保護規定と倫理規定、並びに、研究者が所属する学会における同様の規定を遵守すると共に、研究開始に先立ち、所属機関の「人を対象とする研究に関する倫理委員会」から研究計画の承認を得て研究を行った。そして、承認後、所属機関の「人を対象とする研究に関する倫理規定」に基づき、被験者に対して、研究目的、内容、並びに、実験の安全性と考えられる危険性等について、書面及び口頭で十分に説明を行った上で、被験者から実験参加の同意を得て行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は当初の研究計画通りに研究を遂行できたことから、2020年度も、当初の計画通りに研究を進める予定とする。即ち、研究課題(1)については、単一妨害要因下における大規模被験者のデータ取得実験、並びに、データ解析と主観評価推定手法の検証を行う。研究課題(2)については、単一妨害要因下における小規模被験者による複数回のデータ取得実験、並びに、データ解析とユーザコンテクスト及び主観評価推定手法の検証を行う。 しかしながら、2019年度末から発生している世界的なパンデミックの影響により各種の社会活動が縮小され、人と人との接触が制限されている。これによって、多くの被験者による実験、並びに、長時間に渡る実験が制限される可能性が高いと考えられる。本研究は、被験者として多くの様々な実験協力者の協力が必要となる人を対象とする研究であるため、その影響は大きい。研究を進めるためには、各種の感染予防策を実施して万全の対策を取るように心がけるが、各種の感染予防のための品々の不足等も発生している状況のため、2020年度の実験開始が大幅に遅れ、実験規模の縮小が必要になる可能性が否定できない。 研究者の努力だけでは対処できない事情ではあるが、予定通りの研究計画実行に最大限努めることとする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、2019年度末から発生している世界的なパンデミックにより年度末に開催予定であった各種の学会が中止となったため、予定していた学会発表に伴う旅費等が未使用になったことによる。年度末の学会開催直前になって急遽中止となったため、2019年度中に使用することが不可能となった。 2020年度も各種の学会発表を予定しているため、学会が開催される限り、これについては、2020年度中に使用することを予定する。なお、学会が開催されない状況が続く場合は、実験における各種の感染予防策を講じるための費用として使用することとする。
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Research Products
(5 results)