2019 Fiscal Year Research-status Report
拡張された標本化定理に基づく音空間情報センシングに関する研究
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19K12026
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
島内 末廣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30828702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 茂明 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10396161)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音空間情報センシング / センサアレイ / 空間標本化定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
ある空間内を伝搬する音波を複数のセンサ(マイクロホン)を用いてセンシングすることで,音波の到来方向などの空間的情報に着目した高度な音響処理が可能となる.しかし,その精度を高めようとセンサ素子間隔を密に配置すると,センサがユーザの視界を遮ったり,他のデバイスと干渉するなど,適用域が著しく限定される問題がある. そこで,本研究では,センサ素子間の距離と得られる空間的情報との関係を規定する空間標本化定理の概念を拡張し,センサ素子間隔を実効的に拡大させることを目的とした新たな音空間情報センシング手法の確立を目指している. 当該年度のおいては,空間標本化定理を満足させながらセンサ素子間隔を実効的に拡大させるための第1ステップとして,局所的に密に集約されたサブアレイを疎らに点在配置したセンサアレイ(以下,点在型サブアレイ)に着目し,点在型サブアレイのセンシングの原理を,従来の空間標本化定理と,多点の観測点におけるテイラー展開とを融合させたセンシング方式として定式化した.導出した手法に基づき,直線状のセンシングモデルにおけるシミュレーション実験を実施し,テイラー展開で用いる微分係数の次数の大きくするほど,センシング性能の劣化が生じさせずに,サブアレイとサブアレイの間隔を拡大可能であることを確認した.また,テイラー展開の実現において必要となる観測点における微分係数を,サブセンサにおけるセンサ信号間の差分近似によって獲得した場合の性能についてもシミュレーション評価を行い,次年度実施予定である実環境計測のためのセンサシステムの設計指針を明確化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値シミュレーションによる検証結果から,次年度計画していた実環境計測のためのセンサシステムの設計指針を明確化できたため,おおむね順調に進展しているものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の数値シミュレーションから得られた性能データに基づき,音空間情報をセンシングするセンサシステムを設計・構築し,計測実験を行い,実環境性能を検証する.
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調に進んでいるが,参加を予定していた学会の中止等により,未使用経費が生じた. 今年度は,評価実験のためのセンサシステムの構築,および,それらの研究成果発表を促進するための費用にあてる予定である.
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Research Products
(4 results)