2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K12182
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
参沢 匡将 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (90398991)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ニューロマーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では,脳活動を用いた推薦システムを構築することを目的とした.最初に,購買意思決定要因として重要な「選好」を対象とした脳機能計測実験を行うために,ディスプレイ上に商品画像を表示し,その商品に関する選好度合いを評価するシステムを構築した.ブレインコンピュータインターフェイスとしての利用が想定されるため,リアルタイムでの脳活動を取得するようにしている.機械学習により商品の選好を判別する必要があるが,そのための特徴量として,ディープラーニングを利用するためにセルオートマトンの導入を試みた.具体的にはSugarscape型ライフゲームを構築し,画像化する手法である.実際に利用することはできなかったが,今後の研究の幅が広がったと考えられる. 最終的には,脳活動から商品の選好を予測することを試みた.具体的には,脳活動に関して複数のパラメータによるノイズ除去を行い,商品閲覧時の脳活動の積分値を求めた.この際,個人差を考慮し,Z-scoreによる基準化を行った.上記処理結果に基づき選好の度合いごとに脳活動を観察すると,先行研究と同様,好みの商品ほど報酬系の脳部位が活動することが確認できた.さらに,脳活動から商品の選好度合いを機械学習により予測した結果,ランダムの場合より多少良い結果となったため,あまり良い結果が得られたとは言えない.ただし,1つの前処理結果だけではなく,複数の前処理結果のデータを用いて予測を行った場合,精度が向上した.そのため,学習方法の工夫により精度向上が見込めることがわかり,脳活動を用いた推薦システムを構築できる可能性があることがわかった.
|