2019 Fiscal Year Research-status Report
Estimation and experimental verification of causal connectivity and network structure among brain regions and neurons
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19K12212
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
三分一 史和 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (30360647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾家 慶彦 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50396470)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ニューロンネットワーク / 因果解析 / 自励的同期現象 / 生体イメージングデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、時空間解析のアプローチで脳領域間およびニューロン間の因果的結合性とネットワーク構造の推定を行う。そして、推定されたネットワークの実在性を実験的に定量評価する方法を開発し、ニューロンタイプごとの活動特性や同期システムの解明を目的としている。 本年度はある呼吸ニューロンがどのニューロンからの影響で駆動(活性化)されているのかを定量的に調べるために、自励活動のみを考慮した自己回帰(AR)モデルと他の複数のニューロンからの入力を考慮した外生変数型自己回帰(ARX)モデルをカルシウムイメージングデータに適用した。ARモデルとARXモデルをグレンジャーの因果性検定や赤池情報量規準(AIC)により評価することにより、因果関係にあるニューロンの組み合わせを推定することが可能である。しかし、ARXモデルでは入力信号として用いるニューロンの組み合わせ数が膨大になるので、計算量を考慮して現実的な範囲でのみの解析に限定される。そこで、すべての組み合わせの因果的結合性を推定することができる多変量自己回帰(VAR)モデルを適用しブートスラップ法によりパラメータを評価し有意な因果関係にあるニューロンの組み合わせを検出する方法を開発した。 開発に用いたのは7個のニューロンの自励的活動と相互の結合性を設定したシミュレーションデータで、AICにより最適なモデル次数を決定することが可能で、相互の結合性と対応するモデルのパラメータも誤差の範囲で正しく推定されることを確認した。 また、呼吸ニューロンネットワーク構造の生後最適化の可能性を探るために、ネットワークを構成する呼吸ニューロン種の存在比の生後変化についても調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行により在宅勤務になったことにより研究活動や共同研究者との打ち合わせが制約され、計画通りに研究を遂行することが難しくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は実データにおける多変量自己回帰(VAR)モデルの適用性を評価する。そして、抑制性ニューロンの影響を排除する薬剤ストリキニンを添加したときのデータにおいて推定される因果的結合性と比較することにより、VARモデルにより推定された因果性の生理学的妥当性の評価を行う。 さらに、VARモデルにより推定されたパラメータに基づいてパワー寄与率や partial directed coherence(PDC)を計算しニューロン間の因果性の周波数特性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行による学会、研究会、共同研究の打合せの中止、延期により旅費が執行できなくなり、また、研究の遅延により必要な機器の見直しが必要となったため。
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Research Products
(5 results)