2023 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の庭園観光の適切かつ持続的な推進に向けた研究
Project/Area Number |
19K12547
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Research Institution | Osaka University of Tourism |
Principal Investigator |
小野 健吉 大阪観光大学, 観光学部, 教授 (40194584)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 庭園観光 / ガーデンツーリズム / 庭園間交流促進計画登録制度 / 兼六園 / 養浩館 / 粉河寺 / 京都 / 都林泉名勝図会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、現地調査と史料等を基に、京都市と大阪府に関する庭園観光に関する提案型の研究を実施した。 「『都林泉名勝図会』で楽しむ京都庭園観光の提案」(『観光学』30号)では、1799年刊行の京都の庭園案内書である『都林泉名勝図会』に掲載されて現在も比較的良好に存続している庭園14か所を対象に、同書所載の鳥観図と現状を比較しながら楽しむガーデンツーリズムを提案した。京都における観光の在り方として庭園巡りは定着しているが、庭園の歴史性に着目し、視覚的にそれを確認しながら楽しむというガーデンツーリズムはこれまでになかった提案と考える。 「大阪ボタニカルガーデンツーリズムの提案」(『大阪観光大学研究論集』24号)では、大阪府内の4つの植物園(大阪市立長居植物園・鶴見緑地咲くやこの花館・大阪府立花の文化園・大阪公立大学附属植物園)を取り上げ、植物を楽しむ観点も含め、それぞれの立地や特色を活かしたガーデンツーリズムを、ボタニカルガーデンツーリズムとして提案した。大阪の観光は、アーバンツーリズムやフードツーリズムが注目されがちであるが、ボタニカルガーデンツーリズムも大阪府の観光の多様性を示す一つのオプションとなることが期待される。 2019~2023年度に実施した本研究では、コロナ禍の影響を受けたものの、おおむね当初計画にしたがって以下の内容の研究をおこない、成果を公開してきた。①観光的活用がなされている個別の歴史的庭園の運営の現状を分析して課題とその解決を提案する研究、②地域(府県単位)の庭園・公園の特色を活かした庭園観光の提案、③国土交通省が行っているガーデンツーリズム登録制度と歴史的庭園の観光活用等に関する研究、④オンラインアンケートによる京都の庭園観光に関する研究、⑤庭園観光の歴史に関する研究。
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