2021 Fiscal Year Research-status Report
New Information Technologies for Electronic Information Resource Management: A Research Project through International Comparison
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19K12708
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
古賀 崇 天理大学, 人間学部, 教授 (60390598)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デジタルアーカイブ / デジタル情報保存 / MLA連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もCOVID-19(新型コロナウイルス)の世界的な感染拡大が続いたため、北米(米国・カナダ)などでの現地調査や、対面による国際会議への参加など、当初予定していた研究計画通りには研究活動を遂行することができなかった。ただしそうした中でも、「電子上の情報資源管理への新たな情報技術の導入」や、その関連領域についての動向把握に努め、さまざまな成果の発表につなげることができた。 主要な成果のひとつは、韓国を拠点として実施された、2021年11月のオンライン国際会議での招待講演である。ここでは、米国・韓国・インド・台湾での講演者と並び、筆者が「デジタルアーカイビング」ないし「デジタルアーカイブ」をめぐる日本の現状・具体例と課題につき、英語にて講演を行った。また、昨年度に国内で実施したオンラインでの招待講演に、最新の動向を反映した参考文献などを付記する形で、講演録を刊行した。ここでは、「電子上の情報資源管理」の面も含め、「図書館と文書館・アーカイブズとの連携、ないしこれらの共通点・相違点の確認」を主題とした。さらに、前年度と本年度のオンライン国際会議に参加しての報告を、論文(研究動向)やオンライン発表の形で行った。2021年度に参加し、かつ報告の対象としたのは、開催順に、英国・アイルランド美術図書館協会(ARLIS / UK & Ireland 7月)、米国アーキビスト協会(SAA 7月・8月)、国際図書館連盟(IFLA 8月)という、3団体のそれぞれの年次大会である。 なお、「今後の研究の推進方策」にて記述する、次年度刊行予定の著作の執筆作業なども、2021年度にて進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた現地調査が、2020年度・2021年度と続けて実施できず、それに基づく成果を提示できていない点では、進捗の遅れを認めざるを得ない。しかしながら、オンライン中心の研究活動の中で、「国外の動向の国内への紹介」「国内の動向の国外への紹介」という側面が大きいものの、2021年度内にも一定数の成果の公開・発信を実現できた。次年度の成果公開の準備を進行できたことともあわせ、トータルとしては「やや遅れている」と自己評価しておく。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、論文集となる図書の中の一論考として、「デジタル公共文書」に関する著作の刊行を、2022年度内に予定している(初稿は2021年度内に脱稿済)。これは、日本における昨今の「公文書問題」を端緒としつつも、狭義の公文書にとどまらず、民間のものも含めて「公共」のものとして共有されるべき文書・情報・データ等を対象とし、そのデジタル形態での扱いについて、いくつかの論点を提示している。また、前年度までの研究活動を通じ、デジタル・フォレンジックやデジタル相続など、いわば「デジタル法務」と言うべき活動が国内で活発化している現状を確認している。これがアーカイブの構築・運営にどのような影響を及ぼすか、について、問題提起としての口頭発表を行う計画を立てている。加えて、北米での美術図書室における情報技術の導入状況などを記した著作の紹介記事を、2022年度初頭に刊行予定である。 なお、懸案である北米での現地調査については、2022年8月にボストンにて開催予定の米国アーキビスト協会年次大会への参加と合わせて行う予定であり、これを実施できれば、現地調査に基づく研究成果の提示を、何らかのかたちで行いたい。ただし、感染状況および出入国管理の状況しだいで、現地調査の断念ないし縮小の可能性もあり得る。こうした事態も想定しつつ、本研究課題の最終年度に当たる2022年度において、「まとめ」としての成果が提示できるよう、努めたい。
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Causes of Carryover |
2020年度に続き、2021年度も海外での現地調査ないし国際会議参加ができず、想定していた旅費等の費用を支出することができなかった。2022年度は、「今後の研究の推進方策」に記した北米での現地調査ないし会議参加への費用としてまかなうことを、まずは計画している。ただし、この点の断念ないし縮小が生じた場合は、本研究課題に関連する英語文献(研究代表者の所属研究機関はじめ、国内の図書館等で所蔵がないものが多い)の購入を中心に、使用することとしたい。
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Research Products
(7 results)