2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of multimodal database combining knowledge of tangible and intangible cultural property information
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19K12712
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 教授 (70293595)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 無形民俗文化財 / マルチモーダル・データベース / 収蔵品データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに明らかにしてきた無形民俗文化財「祭り」を構成する体系化に必要な要素と、対話分析によって得られたシナリオを、汎用的なメタ情報で結びつけて、グラフ型のデータベースを構築し、マルチモーダル・データベースのデータ設計について検討を進めてきた。具体的には、以下の通りである。 1.新型コロナのため祭事の追加調査はできなかったが、複数の情報源の一つとして、祭事の地域文化に関する資料収集を行い、資料全体と写真について電子化を行った。写真についてはメタ情報として写真の内容や場所や日にちの整理の方法について検討を行った。共通性の高い要素については語彙を定義して記述し、写真の撮影場所や撮影日時のような不確かな情報については、タグによる記述とタグを組み合わせることにより目的の情報を記述できるようにする方法を検討した。 2.追加の資料の電子化の作業が予想以上に時間がかかり、ストーリーを持った知識構造のシナリオ・モデルの設計の検討はあまり進まなかったが、祭りの体系的な要素に汎用的なメタ情報でもって結合していく方法により、不確定な情報に対しても適用できる記述方法を開発することができた。 3.文化財の持つ深い知識体系を構造的に保存できるようにし、なおかつ、人間の可読性とコンピュータの処理性を備え持つマルチモーダル・データベースを構築したプロトタイプシステムを作成した。1と2で検討した祭りの体系的なモデルに対して、表計算で記述したファイルを、そのまま読み込みグラフ型のデータベースに拡張して、読み込みと保存をできるようにした。シナリオ・モデルについてと、1で検討したタグ情報から定形の語彙への合成については未実装である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ禍のため予定していた追加の調査ができなかったことと、調査の代わりに追加の資料収集とその電子化を行ったため、シナリオ・モデル設計まで至らなかったため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかにしてきた無形民俗文化財「祭り」を構成する体系化に必要な要素と、対話分析によって得られたシナリオ・モデルを、汎用的なメタ情報で結びつける方法を検討しプロトタイプシステムを実装する。さらに、有形の文化財情報と無形の文化財情報を記述したグラフ型のデータベースにより、マルチモーダル・データベースの構築を進めていく。具体的には、以下の通りである。 1.昨年度できなかった祭事を追加調査して、有形・無形の文化財の持つ豊富な情報を収集および分析し、「祭り」を構成する体系的な要素を整理・追加していく。また、共通性に関する検証と昨年度検討した不確かな情報の記述方法についてさらに検証していく。 2.昨年度遅延した、無形民俗文化財の「継承」を目的としたストーリーを持った知識構造のシナリオ・モデル設計を行い、1で明らかにした祭りの体系的な要素に汎用的なメタ情報でもって結合していく方法を実装・検証する。 3.引き続き、文化財の持つ深い知識体系を構造的に保存できるようにし、なおかつ、人間の可読性とコンピュータの処理性を備え持つマルチモーダル・データベースを構築する手法を明らかにしていく。1と2で実装・検証した知識構造に対して、グラフ型のデータベースに拡張して、知識体系を構造的に記述し、保存できるようにする。さらに、祭りの体系的なモデルと継承のシナリオ・モデルを組み込み、実装レベルまでに落とし込み、実際にマルチモーダル・データベースを構築し、プロトタイプシステムを構築する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍のため予定していた学会が開催中止もしくはオンライン開催となり出張に行けなくなったため、残額は次年度に学会での成果発表と研究補助のため、旅費および人件費・謝金として使用予定である。
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Research Products
(3 results)