2020 Fiscal Year Research-status Report
Survey of preservation and release status of "municipal newsreels" and it's database construction
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19K12724
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
春木 良且 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (80277954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 弥生 神奈川大学, 外国語学部, 非常勤講師 (90462811)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 住民ワークショップ / デジタルアーカイブズ / 行政関連資料 / 地方創生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度初頭からの新型コロナウイルスの影響により、長距離の移動や高齢者との接触、学生とのフィールドワークなど、本研究のコアとなる要素部分は、概ね不可能になった。 今回は茨城県県政関係資料と、浜松市(静岡県)市政資料を調査対象に設定したが、方向性を変え、①オンライン中心のリサーチをベースにするということと、②政策ニュース映画だけではなく、幅ひろい行政関連資料を対象にすることにした。 浜松市に関しては、元々市政ニュース映画自体、自治体側で市民向けにDVDを販売しており、それらの分析に基づいた住民ワークショップの実施を予定していたが、行政側の意向もあり、全て中止になった。 茨城県の場合、複数の基礎自治体と交渉を行ってリサーチの計画を立てていたが、最終的に最も東京寄りの自治体である利根町が、全面的に協力をしてくれることとなった。2020年度に関しては、主に茨城県北相馬郡利根町を対象地域に関して研究を行った。同地は、元々正規授業の協力地域として関係を持っていたが、今年度は茨城県政ニュース映画の映像を元に、住民の記憶と個人写真などの記録を収集し、地域アーカイブズを構築することを目指した。さらにそれらの公式なエビデンスとして、行政関連資料の一つである広報紙「広報とね」をアーカイブズ化することを行った。 2020年9月に、利根町側の意向もあり、感染状況に配慮した上、より広い会場に変更するなどの対応によって、茨城県政ニュース映画を用いた住民対象のワークショップを、利根町公民館で開催した。その際には、地域の高齢者3名に映像を観てもらいながら、インタビューを行い収録した。また利根町図書館で資料の調査を行い、広報誌「広報とね」昭和40年創刊誌から、17年分を全てデジタルスキャンを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように新型コロナウイルスの影響により、現地のフィールドワークがほぼ不可能になったため、大きく研究手段を変えた。特にリサーチにオンライン手法を取り入れたが、アウトプットにもオンラインを活用することにした。ニュース映画を分析した言語情報はコーパス化を試みている。 また映像によって引き出した地域住民の記録、記憶などの公開は、地域行政機関の公式広報、Webによることを想定していたが、行政側が感染症対応で余力がなくなったため、本研究独自のデータベースと成果公開用Webシステムの開発を行っている。特に広報誌「広報とね」は、茨城県政ニュース映画との関係性が高く、自治体自身も関心を持たなかったため、史料としては、死蔵されている状態だった。昭和40年創刊なので、資料としての劣化は余り感じられないが、媒体の酸化なども予想されるため、本研究において大規模にデジタル化を行った。 これらを、特に住民に公開するために、UIにユーザ親和性の高い要素を採用して開発中である。さらに実際に行政、住民と対話する中で、様々な関連情報を集めた地域アーカイブズの有効性などが明らかになって来たため、現在は「利根町住民アーカイブズ・利根町思い出ライブラリ」を開発中である。ほぼ設計は終了したが、リリースに向けてデータ整備と実装の準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今期は、オンラインでのプラットフォームの準備が中心になり、フィールドワークの成果としては、現地での住民ワークショップが大きなものとして指摘できる程度に終わってしまった。 今後は、本研究成果の公開のためのプラットフォームの整備を継続する。新型コロナウイルス感染症の状況にもよるが、利根町広報誌「広報とね」を用いて、住民の記憶の抽出をより大規模に行い、住民の記録を公開する予定である。 今期のワークショップで、行政ニュース映画は、地域のシニアの記憶を喚起することが明確になったため、茨城県内他の自治体、地域での同様の試みの可能性を模索する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、現地調査、フィールドワークの計画が白紙になったこと、さらに自治体がウィルス対策で余裕がなくなったため、オンライン中心の研究に切り替えた。さらに成果公開用のWebシステムを、自治体サイトとは別に構築する必要が出てきたため、計画の変更が生じた。 次年度以降は、社会状況によるが、複数自治体への協力依頼を行い、リサーチする予定でいる。
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Research Products
(1 results)