2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an antibacterial nanomaterial using of a biological essential element
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19K12811
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
古薗 勉 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30332406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 慶直 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (90333509)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 抗菌性 / 亜鉛 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚を貫通する経皮デバイスの感染防止技術は、カテーテルや人工臓器等の開発において不可避の課題である。我が国特有の抗菌薬含浸カテーテル使用によるアナフィラキシーショック発症や耐性菌発現の懸念のため、未だに経皮デバイスの開発が立ち後れているのが現状である。そこで本研究課題では、アナフィラキシーショックを惹起せず、万が一細菌感染が生じたときに抗生物質の使用を許容可能とするため、体内必須元素(亜鉛イオン)に着目し、独自技術であるハイドロキシアパタイト(HAp)ナノ粒子製造技術および界面ナノコーティング技術を用いた新規な抗感染性ナノ材料(Zn-HApナノ粒子)を開発し、新たな切り口から抗菌メカニズムの解明を目指す。 本研究課題の最終年度における実験計画では、以下の2項目の達成を目的とした。Zn-HApナノ粒子、およびカテーテルカフ素材として用いられているポリテトラフルオロエチレンシートにグラフト処理を行い、静電的相互作用でZn-HApナノ粒子をコーティングしたシートを用いた。電子顕微鏡によるZn-HApナノ粒子の大腸菌への相互作用を視覚的に検討した結果、菌体表面に当該ナノ粒子が吸着した像を確認することができた。このことから、細菌表面とZn-HApナノ粒子の接触界面におけるZnイオンの増加による影響が推察された。また、抗菌メカニズムの解明のため遺伝子解析法を検討した。しかしながら、ナノ粒子を添加した細菌からの遺伝子抽出を試みたがナノ粒子の吸着作用により抽出が困難であった。そこで、菌体内の活性酸素(ROS)発生による抗菌メカニズムの評価を実施した。その結果、2週間に渡り菌体内にROSが蓄積された結果、抗菌性がもたらされたことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)