2020 Fiscal Year Research-status Report
腹部聴診音のコンピューター解析による過敏性腸症候群の病態評価システムの構築
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19K12824
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡久 稔也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (60304515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 正弘 徳島大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (60732790)
寺田 賢治 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (40274261)
大野 将樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90433739)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 腹部聴診音 / コンピューター解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
過敏性腸症候群(IBS)の病態と腸管運動機能は密接に関連するが、腸管運動機能検査は簡単に施行できないため、IBSの病態を客観的に評価して的確な治療を行うことは困難である。我々は、腹部聴診音を収集してコンピューター解析する装置を試作開発し、腹部聴診音の解析によってIBSを診断できる可能性を見出した。しかし、腹部聴診音は、食事や測定する部位によって解析結果が影響を受けるため、その影響の程度や最適な測定法を明らかにする必要がある。 そこで本研究では、①IBSを評価するための腹部聴診音の測定法(部位、時間、食事条件、腹痛時の測定やストレス負荷の必要性)を最適化し、②腹部聴診音の解析指標と腸管運動との関連性を調べ、③ IBSの病態を表す腹部聴診音解析指標を抽出することによって、IBSの簡便かつ客観的な診断と病態評価を可能とする腹部聴診音解析システムの開発に向けての基盤技術を確立する。 令和元年度は、20ヶ所の腹部聴診音を同時測定できる装置であるMultiple Point Bowel-sound Analysis System(MPBAS)の改良を行い、8か所の腹部聴診音を効率的かつ安定して収集できるようになった。また、長時間計測用装置であるPortable Bowel-sound Analysis System(PBAS)も改良し、安定した長時間の腹部聴診音の収集が可能となった。さらに、解析ソフトを改良し、長時間収集した8か所の腹部聴診音を短時間で解析できるようになった。これらのシステムを用い、健常人の安静空腹時の腸蠕動音の特徴を明らかにすることができ、食事前後の腸管運動を評価するために適した腹部聴診音の測定部位、測定時刻、解析時間、解析指標を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、8ヶ所の腹部聴診音を同時測定できる装置であるMultiple Point Bowel-sound Analysis System(MPBAS)と長時間計測用装置であるPortable Bowel-sound Analysis System(PBAS)によって収集した腹部聴診音を解析するソフトウエアの改良を行い、長時間収集した腹部聴診音の波形図を表示し、閾値を自由に変更して簡単に腸蠕動音の出現部位を表示できるようになった。 しかし、日常生活を行いながら長時間収集した腹部聴診音の中には、これまでの方法では除去不可能な雑音が混入することが明らかとなり、ソフトウエアの更なる改良が必要となった。 また、測定装置を装着した状況で安静状態を保つことが困難な場合があることが分かり、安静時の腹部聴診音の測定をどのような状況で行うかについての検討が必要となった。 さらに、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響により、健常人とIBS症例における腹部聴診音の測定が困難な状況となり、症例数の蓄積が十分に進んでいない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の結果をもとに、症例数を増やし、健常人とIBS症例における腹部8か所の食事前後の腹部聴診音の推移を解析することによって、測定部位と測定時間の最適化を行うとともに、IBSの診断と病態評価(病型・重症度評価)を行うために最適な測定条件と解析指標を明らかにし、その精度評価を行う。さらに、PBASを用いて長時間の測定を行い、食事、睡眠、運動の腹部聴診音への影響を検討する。 また、カプセル内視鏡検査時に腹部聴診音の評価を行い、カプセル内視鏡の移動速度と腸蠕動音の解析指標(腸蠕動音間隔、回数、持続時間、エネルギー量、音色成分)との相関を調べることにより、小腸および大腸運動機能を表す腸蠕動音解析指標を抽出する。 さらに、自宅や職場などで普通の生活を行いながら腹部聴診音を収集し、精度良く解析するために、解析ソフトウエアの改良を進める。代表的な雑音の解析結果に及ぼす影響を詳細に検討し、雑音対策機能を向上させ、各測定環境における精度評価を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、健常人とIBS症例における腹部聴診音の測定が困難な状況となり、症例数の蓄積が十分に進まず、測定時に使用する消耗品の購入額が少なくなったため、次年度使用額が生じた。 繰り越した経費は、令和3年度の腹部聴診音の測定時の消耗品の購入に使用する。
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Research Products
(1 results)