2019 Fiscal Year Research-status Report
企業不祥事に関する組織的徳に基づいた評価枠組みの提案
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19K12944
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
杉本 俊介 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (80755819)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 倫理学 / ビジネス倫理 / 企業不祥事 / 徳 / 組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業組織の性格特性として徳を捉え直すことが可能であることを示し、組織的徳(organizational virtue)に基づいた企業不祥事の倫理的評価枠組みを提案することを目的とする。 2019年度は、組織的徳の理論的基礎づけを目標とし、以下の研究を中心に行なった。企業組織がもつ性格特性の解明を試みるため、米国での国際会議Society for Business Ethics ConferenceとAcademy of Managementで海外の研究者たちと意見交換を行った。その成果の一部は、論文「企業それ自体の責任を問うことの困難さ──ビジネス倫理学の新展開──」として一橋大学社会学研究科先端課題研究18「人文学・社会科学の社会的インパクト」例会で発表し、そこでの意見を踏まえてたものを『現代思想2019年9月号 特集=倫理学の論点23』に掲載した。成果としてまた、「どうすれば信頼に値する企業になれるか─企業倫理における信頼概念の分析─」というタイトルで日本倫理学会第70回大会の主題別討議「信頼」にておいて発表した(日本倫理学会『倫理学年報』第69集に収録予定)。また、同内容は「不信学の創成」第二回ワークショップ「企業不信を考える」でも発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度予定していた1.企業組織がもつ性格特性の解明、2.徳であるための条件の検討、のうち、1は進められたが、2は進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度進められなかった「徳であるための条件の検討」に加え、2020年度予定している「組織的徳に基づいた評価枠組みの検討」を行なう。
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Causes of Carryover |
当初参加を予定していた学会を変更したため、旅費が少なく済んだ。また、資料収集が進まず、物品費が少なかった。次年度はその分を、資料収集のための書籍の購入費と投稿論文の英語校閲として計上する予定である。
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Research Products
(4 results)