2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K13073
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
中安 真理 同志社大学, 文化情報学部, 助教 (20745070)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 講式 / 明神講式 / 高野山 / 天野社 / 丹生明神 / 高野明神 / 四社明神 / 四所明神 |
Outline of Annual Research Achievements |
「明神講式」写本について2019年度は次の研究調査を行った。 1)上野学園大学日本音楽史研究所蔵分9点〔明神講式 写本 永仁3年(1295)/明神講式 写本 享保8年(1723)/明神講式 写本 延宝24年(1674)/丹生講式 写本 寛政6年(1794)修補/明神講式 刊本 高野版 4点/諸講伽陀 刊本 文禄2年(1593)〕の熟覧調査と複写取寄せ、2)國學院大學所蔵分1点〔寛永12年(1635)〕の熟覧調査と複写取寄せ、3)国会図書館所蔵分2点〔江戸時代初期、昭和14年(1939)刊本〕の熟覧調査と複写取寄せ、4)大倉精神文化研究所所蔵分1点の画像取寄せ、5)大谷大学所蔵分1点〔刊本、マイクロフィルムにて〕の熟覧調査と複写取寄せ、6)国文学研究資料館所蔵分3点の複写取寄せ。 現存写本27点のうち、当初は2019年度に16点を予定していたが、それを上回る17点の調査を行うことができた。現在、諸本の比較研究を行っている。また、上野学園大学、國學院大學での熟覧調査の際、関連資料を併せて調査する便宜を得たことも大きな成果で、今後の研究への反映が期待できる。 2020年度と2021年度には、残りの写本の調査を行う。具体的には次のとおりである。 1)高野山大学附属図書館所蔵分7点〔丹生高野明神講式 写本 室町時代 金剛三昧院/丹生明神講式 写本 正徳3年(1713) 真別所/明神講式 写本 室町時代 増福院文庫/明神講式 写本 明暦元年(1655) 三宝院文庫/明神講式 写本 江戸時代 三宝院文庫/明神講式 写本 明和5年(1768) 真別所/明神講式諸祭文 写本 江戸時代 光台院〕、2)早稲田大学所蔵分1点、3)醍醐寺所蔵分1点〔明神講式 写本 永仁7年(1299)〕4)大覚寺所蔵分1点〔明神講式 写本 明和5年(1768)〕
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
写本の調査点数については当初の予定を上回ったが、2019年度に予定していた高野山大学附属図書館所蔵分7点の調査は、新型コロナウイルス感染症による社会的影響のため、2020年度以降に持ち越しとなった。高野山大学附属図書館所蔵分7点の写本の中には、本研究において重要な位置を占めるものが含まれているため、当初予定していた「明神講式」(全5段)の字句の典拠に関する調査に若干の遅れが生じているが、概ね計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のとおり、2020年度と2021年度に残りの写本の調査を行う。 また、2020年度中に「明神講式」(全5段)の字句の典拠に関する調査を終えることを目指すのは当初の計画と変わらない。 2021年度には、これまでの調査研究結果を踏まえて諸本の比較を行い、「明神講式」の本文を整理し、注釈をつけたものを完成させる。さらには天野社社家の勢力争いや、高野山僧侶の神祇信仰なども含め総合的な考察を行ない、最終的に論考を執筆する。
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Causes of Carryover |
2019年度に予定していた高野山大学附属図書館所蔵分7点の調査が、新型コロナウイルス感染症による社会的影響のため、実現できなかった。 この分については、2020年度以降に調査を実施する予定である。
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