• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Annual Research Report

松崎慊堂の漢籍享受と漢籍出版に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K13074
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

富 嘉吟  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (00802696)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords松崎慊堂 / 和刻本 / 漢籍
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、江戸時代後期の儒者・文学者である松崎慊堂の漢籍享受と漢籍出版について、その具体的な様子を検討し、江戸漢学史・近世出版史におけるその地位と意義とを検討した。
松崎慊堂は日常、広く経史子集にわたって漢籍を愛読し、その日記・文集に読書感想や、親友との討論を詳しく記している。本研究は、作者名と書名・作品名をキーワードとして、彼の日記・文集に言及される漢籍の索引を整理した。それによって、慊堂が経書のみならず、集部の漢籍にも深い注意を配ることが分かる。とくに六朝時代の陶淵明に対する愛好は、彼の出処進退に影响を与え、江戸時代における陶淵明受容の大変興味深い一例になっている。
松崎慊堂が刊行した漢籍は、従来、『爾雅』『唐石経』などの経書を中心にして論じられており、しかも、刊行された漢籍の内容自体に注目し、それらの漢籍がどのように刊行されたことについて全く無関心のようである。本研究は、上記の索引を踏まえて、慊堂が刊行した漢籍に関連する記述を抽出し、年代順に配列した。それによって、慊堂がなぜその漢籍の刊行を決めたか、刊行の準備作業がどのように行われたか、だれの支援を求めたか、刊行した後、どのように宣伝したかなど、漢籍刊行の具体的な様子を明らかにした。そこで、慊堂が刊行した漢籍は、彼自身の読書趣味と、当時の文学風習に強く関連していることが分かり、その刊行過程において昌平坂学問所を中心にする江戸の漢学者たちの広い支援を受けていることが解明された。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 重論『古逸叢書』本『玉燭寶典』之底本2022

    • Author(s)
      富 嘉吟
    • Journal Title

      敦煌写本研究年報

      Volume: 16 Pages: 113-126

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 松崎慊堂が見た宋元刊本について2022

    • Author(s)
      富 嘉吟
    • Journal Title

      人文科学研究

      Volume: 18 Pages: 1-14

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 江戸時代における『玉燭宝典』の流伝:兼ねて楊守敬と森立之との交遊に及ぶ2022

    • Author(s)
      富 嘉吟
    • Organizer
      白川静記念東洋文字文化研究所第二研究プロジェクト「日中韓文人交流研究会」
  • [Presentation] 松崎慊堂が見た宋元刊本について2021

    • Author(s)
      富 嘉吟
    • Organizer
      白川静記念東洋文字文化研究所第二研究プロジェクト「日中韓漢籍研究」及び科研費「朝鮮渡り唐本の総合的研究」2020年度研究成果報告会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi