2020 Fiscal Year Research-status Report
源氏物語を中心とした物語作品の享受に関する総合的調査と研究
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19K13077
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中葉 芳子 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (60581668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 古筆切 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、社会情勢の影響で、研究を進めるための資料収集や調査などのための出張が難しく、調査が必要な面での進展は困難だった。 そのため、これまで収集をおこない調査が進められる資料に関して、整理や内容精査を進めることを研究の中心とした。現段階では形になってはいないが、次年度以降に資料収集や調査が進められれば、資料相互の内容精査によって、研究が進展していくものと考えている。 具体的には、当該研究で重要な資料である古筆切は所蔵者により公表されているものもあるが、非公表のものが多く、それらの調査や撮影が研究進展には欠かせない。しかし、移動が制限され、所蔵先からは社会情勢の影響で来館を遠慮してほしい旨が伝えられると、それを押しての調査や撮影は難しい。そのため、2020年度は移動しての資料収集や調査は中止せざるを得なかった。 よって、せめて所属先の大学図書館ででも、と考えたが、年度初めは大学図書館も閉館し、研究を進めることも難しかった。大学図書館が開館してからは、図書館で収集できる資料だけでも、と考えて進めてきた。形のあるものとしては出せてはいないが、出版に向けて進めている研究成果がある。複数人での成果であり、顔を合わせての打ち合わせが難しい状況であり、お互いの事情もあるので大きな進展は難しいが、少しずつ進んでいる。 また、個人で進めている研究は、2020年度は収集済みの資料の内容精査にとどまってしまったが、新たな資料収集や調査ができれば進展できる基礎調査は進んでいると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
社会情勢の影響で移動が制限されているため、資料収集や調査がおこないにくい状況が続いている。大学図書館でさえ、閉館が続いていたことも大きな原因である。移動を極力控えた状態でおこなえる研究内容に限られているため、研究が思うように進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
資料収集や調査をおこなうための移動は、社会情勢を考慮すれば現在では難しいと考えられる。大学図書館の開館日や開館時間も平常時の半分以下に制限され、滞在時間も限られている。 当初の計画では大学院生にアルバイトをお願いする予定ではあったが、監督しながら作業をお願いしなければいけない、という規則のため難しい。 これから社会情勢がどのようになるかが大きく影響するが、まずは限られた資料で、できることを進めていくしかないと考えている。 また、所属機関の協力を得ることも難しそうであるので、Webを用いた研究成果の公表などは止め、論文や書籍で成果を示せるように方向転換を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
社会情勢の影響で研究課題を進めるための行動が制限されていたために、研究費を使用すべき研究が進められなかった。 また、所属機関では専任教職員に比べると、研究への手助けが少ない。例えば、専任教職員であれば無料で使用できるパソコンソフトが使用できないなどの違いがある。問い合わせにも回答が返ってこない時もあり、対応に時間が取られていることも理由である。 社会情勢次第ではあるが、少しずつ進めるか、方向性を修正して進めるか、を様子見しながら計画を立てている。
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