源氏物語を中心とした物語作品の享受に関する総合的調査と研究

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K13077
• Research Institution: Kansai University
• Principal Investigator: 中葉 芳子 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (60581668)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 古筆切

Outline of Annual Research Achievements

2021年度も、2020年度に引き続き、社会情勢の影響で、研究を進めるための資料収集や調査などのための国内移動が受け入れられにくく、調査の進展は困難であった。社会情勢の改善は難しいとは言え、年度後半からは少しは国内移動も認められる時期も出てきたが、未だ受け入れに良い顔をしないところが多く、制限も設けられていることから、実地の調査は困難な状況が続いている。
公立の図書館や資料館では、抽選予約制を採った入館制限などはあれど、資料収集や調査が受け入れられるようにはなってきた。しかし、私立に関しては、表向きはともかく、実際は依然として地域移動を伴うものは認められにくい雰囲気が続いている。
所属先の図書館なども、年度後半からはほぼ通常開館には戻ったが、滞在時間を短くするように求められており、落ち着いて研究を進められる雰囲気ではなくなっている。
そこで、2021年度も、2020年度から進めていた資料の公開に向けた作業を中心に研究をおこなった。個人的な伝手などにより、公開するための新たな資料を少しは加えることができた。しかし、対面による打ち合わせ等が難しく、当初予定していたよりも進捗が遅れぎみではある。現段階ではまだ公開できるものにはなっていないが、できれば2022年度に公開できるようにしたい、と考えて進めている途中である。
研究期間は残り1年と限られているが、より多くの資料を収集し公開できるように努力していきたい。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

社会情勢により、国内移動に制限が掛かり、当初予定していた調査が行えない状況が続いているため。2020年度より、この状況でも課題を進められるように当初の計画を変更してはいるが、2年間の移動制限などの影響は大きい。

Strategy for Future Research Activity

2022年度、2021年度までより社会情勢が飛躍的に改善するとは考えにくいため、当初の計画とは異なる調査、実績公開の方法を模索している。
最終年度であるため、国内移動や対面での会合などがおこないやすくなることを願うしかないが、2022年度に急激に社会情勢の改善が見込めるとは思えないし、緩和されたとしても、所蔵者に慎重を期す傾向が強ければ、当初の計画通りの調査などは難しいと考えている。
そのため、書籍など出版物での資料収集や調査を増やしていく予定である。

Causes of Carryover

社会情勢により、当初計画していた資料収集や調査がおこなえなかったことが大きい。学会なども移動を伴うものではなくなっており、その分の費用が使われなかった。
社会情勢の改善を願って資料収集や調査のための費用は使用せずにいたが、最終年度になったため、対面での調査を減らし、書籍など出版物やWeb上での資料収集や調査を優先することを計画している。