2023 Fiscal Year Annual Research Report
芥川龍之介・菊池寛共訳『アリス物語』・『ピーターパン』に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19K13080
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
澤西 祐典 龍谷大学, 国際学部, 講師 (30771133)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本近代文学 / 芥川龍之介 / 菊池寛 / ルイス・キャロル / 不思議の国のアリス / ピーター・パン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、入手困難となっていた芥川龍之介・菊池寛共訳『アリス物語』(『小学生全集』第二十八巻、文藝春秋・興文者、1927)をリーダブルな形で現代の読者に届けることを本研究の目的の一つとして掲げた。その目的についてはルイス・キャロル著『芥川龍之介・菊池寛共訳 アリス物語』(グラフィック社、2023)を刊行し、訳補・注釈・解説を加えることで一定程度果たせたと考える。2023年度中にはより多くの読者に成果が届くよう成果発信に努めた。 また、2022年度中に行った学術発表をベースに、学術論文の執筆を試み、ユーザーローカルAIテキストマイニング(https://textmining.userlocal.jp/)を用いて、下訳として指摘がある楠山正雄訳『不思議の國』(1920、家庭読物刊行会)との隔たりについて分析を進めたが、学術論文として発表できる明確な成果に至らなかったため、投稿には至らなかった。別のアプローチから、研究を行う必要がある。 「不思議の国アリス」や「ピーターパン」といった特定の作品に限らず、より俯瞰した観点から芥川旧蔵書・洋書と芥川文学の関りについて考察を行い、「芥川龍之介旧蔵書越しに見える「世界文学」像」(『芥川龍之介研究』第17号、2023、pp.56-44)として発表した。その過程で発見された新資料について、「新資料紹介(1)日本近代文学館所蔵・芥川旧蔵書に挟まれていたメモ二点と関連書籍への書き込みについて : 『志那游記』、中国渡航時期の読書など」(章い氏との共著、pp.14-29)及び「新資料紹介(2)日本近代文学館所蔵・芥川旧蔵書の英英辞典に挟まれていた紙片について:Webster's International Dictionary of the English Languageから発見されたメモ・辞書愛好家としての芥川龍之介」(pp.30-35)等で報告した。
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Research Products
(3 results)