2020 Fiscal Year Research-status Report
近世初期の京都・大坂・伏見の関係からみた首都の多元性
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19K13333
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
谷 徹也 立命館大学, 文学部, 准教授 (10781940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本近世史 / 伏見 / 畿内・近国 / 首都論 / 三都 / 蒲生氏郷 |
Outline of Annual Research Achievements |
二年度目となる2020年度は、①初年度に引き続いて、伏見や京都・大坂に関する史料や文献の更なる収集、②初年度の分析結果を踏まえた首都に関する議論の成稿化を進めることを目指した。①については、当初は東京大学史料編纂所など各所への史料調査を予定していたが、新型コロナウイルス(COVID-2019)の流行により、残念ながら遠方への出張・史料調査を延期せざるを得ない状況となってしまった。その代わり、当初の計画を変更し、ウェブ上でのデジタル史料の収集や、既に集めた史料をデータ化する作業を中心に進めていった。史料の整理や打ち込みは、特に当該期の古記録・古文書を中心にかなりの程度進めることができた。これによって、時系列から首都のあり方を通覧することができるようになり、段階差についての議論の土台を固めることができた。②については、伏見や京都を中心とした豊臣期の首都に関するいくつかの論考をまとめることができた。こちらも新型コロナウイルスの影響もあって、刊行が滞るケースが出て来ているが、近いうちに順次、刊行・公表される予定となっている。特に、首都の形成過程を拠点城郭との関係から考察することができたのは大きな成果といえる。また、豊臣大名(具体的には蒲生氏)の文書を収集する中で、その居所と行動(いつ上京・下国したのか)を分析しつつ、大名の目線からも首都の位置づけを考察し、編著として刊行できたことも、こうした成果を具体的に肉付けするために有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、新型コロナウイルス流行に伴う出張の延期・見合わせにより、史料の探索・収集に遅れが生じてきている。特に、初年度は伏見に重点をあて、二年度目は京都・大坂に視野を移す予定であったが、進めることが困難な状況となった。回避措置として、既に収集した史料の整理やデータ化を進めており、これについては一定程度の成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、新型コロナウイルスの感染状況の推移を見守りつつ、研究を柔軟に進めていく必要がある。取り急ぎ、史料の整理・データ化の作業を進めながら、感染が落ち着いた段階で、史料調査も進めていきたい。また、同時に京都や大坂に関する分析・考察も進めることで、三都の位置づけについて見通しを立てていくことを目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額については、若手研究における独立基盤形成支援(試行)としての費用であり、大型の設備投資・環境整備のために2021年度までに消化する予定である。
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Research Products
(1 results)