2021 Fiscal Year Annual Research Report
近世初期の京都・大坂・伏見の関係からみた首都の多元性
Project/Area Number |
19K13333
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
谷 徹也 立命館大学, 文学部, 准教授 (10781940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本近世史 / 伏見 / 名護屋 / 首都論 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる2021年度は、①初年度・二年度に引き続いて、伏見や京都・大坂、名護屋に関する史料や文献の更なる収集、②これまでの分析結果を踏まえた首都に関する議論の成稿化を進めることを目指した。①については、新型コロナウイルス(COVID-2019)の流行を見極めながら、東京への史料調査などを行うことができたのは幸いであった。また、昨年度に引き続き、当初の予定よりも調査の機会が少なくなった状況を踏まえつつ、史料・研究の整理や打ち込みに重点を移し、これについてはかなりの程度進めることができた。とりわけ、本研究の過程で文禄・慶長期の「首都」が重要であることが判明し、その時期の史料・研究を通時的に収集できたことは成果といえる。②については、伏見や名護屋を中心とした豊臣期の首都に関するいくつかの論考をまとめ、書籍などの形で公表することができた。なお、まだ公刊されていない成果も数本存在するが、2022年度中には公表される予定である。また、首都における大名の役負担のあり方について検討した成果を近日、研究雑誌にて公表する予定である。これらの研究結果により、豊臣期の首都の動態的な変遷と役割の違いを明確にすることができ、本研究の所期の目的を達成したものと判断される。
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Research Products
(5 results)