2019 Fiscal Year Research-status Report
戦間期日本の外務省「連盟派」の国際連盟外交-その法解釈の再考
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19K13343
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡邉 公太 帝京大学, 文学部, 講師 (90713404)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際連盟 / 外務省連盟派 / 集団安全保障 / 自衛権 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目となる本年度は、当初の予定通りに資料収集に重点を置き、いくつかの資料館での調査を実施した。国際連盟資料館(ジュネーヴ)、アメリカ議会図書館(ワシントンDC)では、日本の外務省連盟派の活動にかかわる資料の収集を実施することができた。特に国際連盟資料館には、まだ利用されていない未刊行の資料にも接することができたのは大きな成果だった。本研究計画の中核となる、日本の外交官の国際連盟内での活動の様子について、断片的ながらも明らかにすることが可能となりつつある。特にヨーロッパにおける集団安全保障やダンツィヒ自由市問題をめぐる連盟理事会の調停、国際仲裁裁判・司法裁判制度の確立などの重要事項において、日本の外交官がどのような活躍をしたかを解明するための原資料を収集した。いずれもこれまでの研究で十分に明らかにされていない問題であり、今後はさらなる資料の収集や解析を行う上での基礎となると期待される。一方、国内の資料については国立国会図書館や外務省外交史料館などを中心にして調査を行ったが、まだ多くの残された未調査資料が残っており、今後の課題となる。 こうして収集した資料の一部については、現在準備中の論考によって成果発信を行うことを予定している。ただし時間的制約もあり、必ずしも目当ての資料のすべてを調査しきれたわけではない。そのため、次年度は引き続き国内外の資料調査を進めつつ、成果発信に向けた本格的準備に取り掛かる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の主な活動である資料収集については、一定の成果を得ることができた。ただし時間的制約もあり、依然として未調査の資料は残されてしまっている。また本研究に関わる論文についても準備中であるため、総合的に(2)おおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き国内外の資料館の文書の収集・解析を実施する。ただし多くの資料館が閉鎖されている状況が続いているため、現段階で収集可能なオンライン公開資料などを中心にまずは調査を進める。さらに現在準備中の論文の刊行に向けて、史料の解析および執筆も同時並行的に進めていく。
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