2020 Fiscal Year Research-status Report
アジア太平洋戦争末期における地方内政・軍政機関の一元的研究
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19K13360
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| Research Institution | Kyushu Historical Museum |
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Principal Investigator |
渡部 邦昭 九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (00615825)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 戦時行政 / 地方行政協議会 / 地方総監府 / 本土決戦 / 西日本新聞 / 九州 / 福岡県 / 内務省 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和２年度には、研究目的である戦時期の地方内政・軍政の解明の内、内政部門にあたる九州地方行政協議会・九州地方総監府（以下、協議会・総監府）の調査を進めた。まず、オンライン上で閲覧可能な国立公文書館所蔵の「公文類聚」や「枢密院会議筆記」を閲覧し、さらに旧内務省・自治省所管の協議会・総監府関連文書も悉皆調査した。これに基づいて、同館所蔵の協議会・総監府関連資料の一覧を作成している。また国立国会図書館憲政資料室に赴き、「大霞会旧蔵内政関係者談話録音速記録」や「阿南惟幾関係文書」から、当時の関係者の証言等も収集している。これによって、研究実施計画の第一段階たる協議会・総監府の設置の背景および経緯について、公文書等から解明可能な事実を整理できた。
一方で、研究の第二段階である協議会・総監府の機能については、法的権限等は国立公文書館所蔵資料で調査できたものの、内務省と協議会・総監府間、協議会・総監府と九州各県間の文書については、確認できなかった。これは、福岡共同公文書館には該当する文書が所蔵されていなかったこと、他県の公文書館等は、新型コロナウイルスの影響で調査が実施できなかったことによる。そのため前年度に引き続き、研究実施計画の第三段階たる協議会・総監府の実態調査を先行して進めた。
この第三段階の調査では、研究協力者たる諸原真樹氏（福岡大学商学部非常勤講師）の協力を得て、協議会・総監府に関する新聞報道を調査した。まず福岡県の『西日本新聞』から昭和15年～終戦時の紙面を悉皆調査し、協議会・総監府の記事を集成している。また、他県紙との比較のため、国立国会図書館等で『日向日日新聞』『佐賀新聞（佐賀合同新聞）』『熊本日日新聞』の調査も行った。
そしてこの調査結果の内、協議会・総監府とこれが所在した福岡県・福岡市との関係については論文にまとめ、『九州歴史資料館研究論集46』に投稿し、掲載された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動自粛の影響で、研究に大きな支障が出たことによる。特に研究実施計画の内、軍政部門（西部軍管区司令部・第十六方面軍司令部）に関する研究では、令和２年度に防衛省防衛研究所での文書調査と、福岡県筑紫野市に所在する司令部壕のＧＰＳ測量を予定していたが、いずれも延期せざるを得なかった。また内政部門（協議会・総監府）に関しても、オンライン上で閲覧できない史料を対象とした県外での文書調査は、東京都と佐賀県でのそれぞれ１回ずつに留まっており、やはり遅れが生じている。
ただしその一方で、オンライン上で閲覧可能な国立公文書館所蔵の公文書と、研究代表者の勤務先に紙焼版が所蔵されている『西日本新聞』の記事調査は概ね完了し、その成果の一部は論文として投稿することができた。これらを総合的に勘案すると、現状はやや遅れている状況といえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
まず、これまでに調査済の公文書や地元地方紙から明らかになった事実を整理し、研究成果の中間報告としてさらに論文にまとめる。また九州歴史資料館において、協議会・総監府など戦時行政にも焦点を当てた成果展を行う。
その上で、令和２年度に中止された防衛省防衛研究所や九州各県公文書館等での文書調査と、西部軍管区・第十六方面軍司令部のＧＰＳ測量を行う方針だが、これについては新型コロナウイルス感染状況等を勘案しつつ、適切な時期に進展させたいと考えている。
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| Causes of Carryover |
令和２年度に予定していた東京および九州各県での史料調査と、西部軍管区・第十六方面軍司令部のＧＰＳ測量が、新型コロナウイルス感染拡大による移動自粛で中止になったことが主たる理由である。今後は感染の終息を待って、繰り延べとなっている調査を行い、遅れている研究実施計画を当初予定のものに近づけたいと考えている。
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Research Products
(1 results)
