2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a non-destructive method for the estimation of production places of ancient iron/steel ware focusing on rare earth elements
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19K13420
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Research Institution | Kyoto University of the Arts |
Principal Investigator |
増渕 麻里耶 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50569209)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 古代製鉄 / 製鉄原材料 / 製鉄関連遺物 |
Outline of Annual Research Achievements |
【内容】本年度は、ここ数年のコロナ禍の影響を受け、当初の計画では実施が難しくなった本研究課題の計画の変更・再検討を確実に遂行するために、資料調査を主な目的とした国内での調査を主軸に研究活動を行った。まず、研究計画の変更・再検討については、本研究が当初予定していた国外での調査活動や国外の考古遺物の分析資料としてのサンプリングが、コロナ禍での活動制限の影響を受けて研究機関の開始当初より実施できずにいたことを踏まえ、研究の対象や調査地を国内にシフトし製鉄関連資料の調査を実施した。これは国内に存在する国外遺跡での出土遺物の調査も含む。これらの調査を通じて、具体的にどのような資料を調査対象とできるのか、現実的な検討を行った。
【意義と重要性】本研究は製鉄関連遺物や製鉄に関わる副産物の化学組成をもとに産地推定を行うことを目指したものであるため、分析することができる(サンプリング可能な)対象を把握し、その製作プロセスにおける製作地や原材料の産地などの情報をあらかじめ調査していくことが必要となる。なぜならこれらの情報をもとに分析結果の解析やデータの解釈を行う必要があるためである。本年度着手した調査は来年度実施する自然科学的分析調査の土台を築く意味での重要性と、今後の研究遂行の現実性を客観的に評価し、研究方法を検討する上でも大切な予備調査であると言える。 様々な問題により研究計画を大幅に変更せざるを得ない状況ではあるが、本研究課題の本質的な意義を見失うことなく慎重に遂行していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍における国内外での調査出張の制約により、当初予定していた現地調査や資料収集が遂行できない状況が継続していた。特に、国外の研究対象地域においては、上記の制約に加え出土考古遺物の国外持ち出しの規制が強化されるなどの状況変化が起きたこと、コロナの影響で研究代表者個人の研究遂行に関わる状況にも大きな変化が起きたことなどにより、当初の研究計画からの大きな遅延と研究計画の大きな変更が必要となった。 2022年度後半に研究計画の大きな練り直しを行い、国内で収集可能な資料の調査と分析試料の調達を年度内の目標として国内調査を実施した。当該研究年度内に分析試料の測定までを目指していたが、所属機関での職務内容の変更により十分な研究時間を確保できなかったため、次年度以降の課題として保留した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のような研究の遅延状況に鑑み、1年間研究期間の延長を申請し受理された。当初本研究は国外の出土遺物を自然科学的分析のメインターゲットとして実施予定であったが、コロナ禍での状況の変化、特に出土遺物の国外持ち出しの規制強化という対象地域の情勢を考慮し、国外の資料に関しては現在手元にあるサンプルのみにとどめ、国内で入手可能な比較対象資料の拡充を図る方向で計画を変更した。最終年度となる2023年度には、本年度中に収集した国内の分析試料に加え、さらに国内での調査と分析試料の収集を行い、希土類元素に着目した化学分析を実施し研究の最終成果をまとめ発表を行う。
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Causes of Carryover |
国外での調査旅費、研究発表等の旅費の使用がなかったため。 次年度は国内調査や自然科学的分析調査の経費としてこれらの経費の執行を予定している。
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