2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on Interpretative Materials that Accommodate Personal Context through Information and Communication Technology
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19K13430
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
中村 麻友美 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (60811289)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 展示解説 / ICT / 外国人来館者 |
Outline of Annual Research Achievements |
二年目にあたる令和2年度は、主に1)アプリケーションの修正と2)ユーザーのログ解析を進めた。 1)一般ユーザー向けにアプリケーションの運用を開始したところ、アプリケーションそのものや、連動するデータベースの改善点が見つかったため、適宜修正を行った。また、館内のユーザーの位置情報を正しく把握するため、ビーコンの設置テストを複数回行った。 2)ユーザーのログ解析については、主にアプリケーション内に搭載したアンケートと操作ログを抽出して行った。今年度(2020/04/01-2021/03/31)は、臨時の休館が続いたため、館内の利用者が少なく、有効なサンプル数は1,876人と想定より少なかった。ただ、限られたサンプル数の中でも館内でのアプリケーションの起動時間、展示室単位の起動場所を追うことでこれまで客観的に知ることができなかった来館者の傾向をつかむ手掛かりとなった。 期間中の全ユーザー数は7,206人であり、うち館内の利用率は平均74%であった。但し、この数値については月ごとの開館の日数、実施中の展示の内容などによりばらつきがあった。しかしながら、これまで想定していた、館内で展示物を前に利用するユーザーよりも、館外で利用をするユーザーが格段に多いことがわかった。また、海外で起動するユーザー(日本人含む)に加え、日本国内の外国人ユーザーも一定数存在していた。今後有効なサンプル数が増えていけば、よりはっきりした傾向がつかめてくるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
館内での来館者の動線のログ測定とアンケートをかけ合わせた調査を実施する予定であったが、対面でのアンケート調査ができないことから、動線のログ解析のみにとどめた。 また、メインターゲットとして想定していた訪日外国人の来館がなかったため、日本にいる留学生を対象にしたヒアリング調査を企画した。現状では来館を前提にした調査は難しいため、限られたリソースと条件でより有効な調査をするために調査会社と話を詰めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、アプリケーションの基盤を整えることに時間をかけた。来年度は、このプラットフォームを用いて来館者に向けた調査を行いたい。同時に、今年度計画したオンラインでの潜在的な来館者に向けた調査の方向性も検討していく。その際には、できるだけ国籍や背景に多様性を持たせるようにし、今後平常時に戻った際に想定される来館者との開きがなるべく少なくなるようにしたい。
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Causes of Carryover |
計画をしていた他館の視察、来館者調査が次年度以降に持ち越しとなったため。
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