2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on Interpretative Materials that Accommodate Personal Context through Information and Communication Technology
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19K13430
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
中村 麻友美 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (60811289)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 展示解説 / ICT / 来館者調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度も、ユーザーのログ解析を進めた。昨年度と同じく、アプリケーション内に搭載した属性のアンケートと操作ログを抽出して行った。サンプル数が増えたことで、来館者の館内の動きの傾向がより明確に見られたことは、一つの成果である。(4つの展示館を回遊するよりも、1つの展示館に長く滞在して退館する来館者が多数である、各展示館内の経路の傾向が見えたなど)。期間中の全ユーザー数は9,921人であり、うち館内での利用率は平均21.7%であった(2,157人)。前年度の館内の利用率は平均26%であったので、わずかに減少している。今年度全ユーザー数は全体で 2800 人増 (昨年比 136%) であったが、来館者の数が昨年度と比べそこまで増えていないため、相対的に比率が下がったとみられる。 また、予備調査の位置づけで対面の来館者アンケート調査を3回実施した。アンケートに回答した総勢913人中、アプリの利用者は約24%(221名)という結果であり、今後調査を継続する上でも充分なサンプル数を満たしうるものであった。しかしながら、やはり状況を鑑みて、特定の個人に対面で端末を渡し行動ログをとった上でアンケート調査をするという当初の計画は実現がかなわなかった。 一方で、先進的なアプリ開発をしている他館の視察を行い、現状のアプリの問題点や改善点がみえたところで、修正に向けての準備をしているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ターゲットとしている外国人来館者の入場はおちこんだままであり、検討していた日本にいる留学生を対象にしたヒアリング調査(文化背景や背景知識など、個人ごとに異なるニーズを探り出すための調査)についても実行が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインでも実地でも、まとまった来館者調査が難しい状況はしばらく続くであろうことから、方針を切り替える予定である。一旦は、今あるリソースの中で、細かくターゲットを切り取って分析していく、もしくは今解析に入れていない要素(作品の展示期間など)をかけあわせるといった方向性を検討したが、本来の目的から逸れてしまう恐れがある。 そこで、もう一つの柱である、展示解説の整備方法の検証をすすめ、時代・作者・ジャンル・影響関係・画題などから、作品同士の関連性の高さを割り出したデータベースを試作する予定である。そのプロトタイプをもってユーザーテストをするところまでは実現させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
計画をしていた他館の視察、来館者調査が中止されたため。
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