2020 Fiscal Year Research-status Report
エスニック・ビジネスの地域的展開に関する都市社会学的研究
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19K13930
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
八木 寛之 関西国際大学, 現代社会学部, 講師 (90781386)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 都市社会学 / 商店街 / エスニシティ / 大阪 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実績として、研究論文2篇を発表した。 1つは、大阪市生野区生野コリアタウンにおけるエスニック・ビジネスの集積と近年の商店街活動に関する検討をおこなった論文である(『社会再構築の挑戦』所収)。本論文では、これまでの生野コリアタウンにおける調査結果を整理しつつ、オールドカマ―商業者、ニューカマー商業者、日本人商業者の3者の地域社会における関係について分析した。そのうえで、今後のニューカマー商業者の商店街活動や地域活動への参加の可能性について言及した。 もう1つは、大阪市中央区のコミュニティ調査に関する共著論文である(『評論社会科学』第133号所収)。このなかで筆者は大阪市中央区道仁地区における地域コミュニティと外国人住民の増加について、質問紙調査とフィールド調査の結果をもとに分析した。また、外国人住民の増加にともない、道仁地区における外国人住民への支援に関する地域活動が複数おこなわれていることを報告した。 2020年度の調査実績に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響によりほぼフィールド調査を実施することができず、文献資料の収集等にとどまってしまった。とくに、授業実施期間中におけるオンライン授業への対応に予想以上の時間と労力が割かれてしまい、フィールド調査を実施するための準備がほとんど出来なかったことも、調査が進まなかった要因として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していたフィールド調査を実施することができなかった。感染の流行にともない、対面でのインタビュー調査を実施することができなかった。また、授業期間中におけるオンライン授業への対応に予想以上の時間と労力が割かれてしまい、フィールド調査を実施するための準備がほとんど出来なかったことも、調査が進まなかった要因として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査の実施の進捗については、今年度も新型コロナウイルス感染症の状況(流行やワクチンの接種状況)に大きく左右されるものと考えている。 そこで、今年度もフィールドでの調査が実施困難であることを想定し、本年度前期(春~夏季)において、生野コリアタウンに関する質問紙調査を実施することにしている。これまでは、生野コリアタウンにおける商業者や地域住民を対象とした調査を実施してきたが、今回の質問紙調査では、大阪市在住者を調査対象とし、「韓流ブーム」以降の韓国やコリアタウン、そして外国人に対する意識調査を実施する。 そして、新型コロナウイルス感染症の状況をみつつ、秋~冬季にかけて、インタビューなどのフィールド調査の再開を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、フィールド調査および実地での学会が実施できなかったために、とくに旅費等の予定していた支出が無かったことが理由である。 2021年度は、できる限りでのフィールド調査の再開を目指したいが、一方で学会についてはすでに複数の大会が今年度オンラインでの開催を早期に決めている。よって、今年度も交付されている予算額の旅費の多くが支出されない可能性が高い。そこで今年度は、民間の調査会社のweb調査サービスを利用し、質問紙調査を実施する予定である。
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