2020 Fiscal Year Annual Research Report
高機能自閉スペクトラム症者への就労支援プログラムの普及と内容改定に関する検討
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19K13973
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
池田 浩之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教 (00789802)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 就労支援 / 発達障害 / 認知行動療法 / 就労定着支援 / モニタリングツール / ASD |
Outline of Annual Research Achievements |
高機能の自閉スペクトラム症(High-Functioning Autisic Spectrum Disorder以下、HFASD)のある者への就労における就労支援プログラム(池田, 2016)用い、長期的な就労支援が行える環境の構築を検討することを目的として実施した。HF-ASDのある者へのプログラムの1)普及法の検討とその効果の検討、2)改定した集団用プログラムの効果の検討、3)職場への定着を目的としたツールの(Supporting People to Improve Stability以下、SPIS)早期導入を行い、プログラムとの組み合わせ効果の検討を行った。 1)就労移行支援事業所6か所に1回1時間程度の計94回訪問し、それぞれの事業所での就労支援プログラム実施に関する指導・助言を行った。HFASDの対象者は42名だった。指導・助言内容は支援初期に行う障害特性に関するアセスメントとそれに基づく支援、その後結果に応じて修正されているかの確認等が主であった。対象者の精神的健康などに改善が見られ、プログラムの効果が確認された。 2)1クール全9回のプログラムを実施した。10名のHFASDのある者に対して実施を行った。問題解決訓練・認知再構成法・怒りの対処法という組み合わせのプログラムであった。対象者によって構成要素の効果は異なっている結果が得られた。 3)4名のHFASDのある者に対して2年間実施し、その効果を検証した。就労移行支援時から活用することで、本人もストレスの程度や体調に関する内容がモニタリングされ、それにより訓練環境への定着が促進されていることが確認された。就労支援の効果を補助的に高めている可能性が示唆された。 今後このプログラムへの接続(教育領域との連動)や、プログラム実施後のフォロー(産業領域との連携)といった他領域連携が展望として考えられた。
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[Presentation] 職業リハビリテーションを取り巻く認知行動療法の実践(5) ~発達障害のある者への支援を考える~2020
Author(s)
企画, 話題提供者池田 浩之, 指定討論者, 大野 裕史, 指定討論者, 井澤 信三, 話題提供者, 金澤 潤一郎, 司会, 伊藤 大輔, 話題提供者, 谷口 敏淳
Organizer
日本認知・行動療法学会第46回大会 自主シンポジウム
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