2020 Fiscal Year Research-status Report
バラ科果物アレルギーに対するシラカバ皮下免疫療法の検討-治癒を目指して-
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19K14026
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
津曲 俊太郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (90836545)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 果物アレルギー / 好塩基球活性化 / アレルゲン免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
果物アレルギー患者の複数名を対象として、各種果物の好塩基球活性化検査を実施した。検査項目として、シラカバ花粉および主要タンパクであるBet v1、リンゴおよび主要タンパクのMal d1、モモ、イチゴ、サクランボ、洋ナシ、メロン、スイカ、大豆、セロリ、キュウリ、トマトについて検査した。Bet v1とMal d1に関してはリコンビナント製剤を購入し、その他はALK社製の皮膚テスト用抗原を利用した。 花粉抗原に関してはシラカバ・Bet v1ともに活性化を認め濃度依存性があった。リンゴに関しては活性化は認められなかったが、Mal d1は活性化を認め濃度依存性もあった。その他は、モモ、イチゴ、サクランボ、スイカ、大豆、セロリ、キュウリ、トマトでは活性化を認めたが、メロン、洋ナシでは活性化は認められなかった。 リンゴアレルギー患者に対する評価法として、ALK社製のリンゴ抗原を用いた好塩基球活性化検査は不適当であった。ただし、Mal d1に関しては活性化および濃度依存性を示しており、代替可能と考えられた。その他、メロン・洋ナシも検査抗原としては不適当と考えられた。おそらく抗原の種類によって検査液精製の過程でアレルゲンタンパクが失われてしまうのだろうと推測された。 上記結果より、好塩基球活性化検査に使用する抗原として適切なものと不適切なものがあることが判明した。今後はさらに検査数を増やして再現性を確認する必要がある。また、アレルゲン免疫療法を実施した患者を対象とした好塩基球活性化検査も実施し、治療効果の判定手段としての有用性も評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
治療の新規患者の登録が進んでいない。好塩基球活性化検査もさらに症例数を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
特定臨床研究倫理委員会の承認を得て、新規患者の登録を進める。また、本年度中に治療終了予定の患者について、治療効果の判定を好塩基球活性化も含め進めていく。
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Causes of Carryover |
当該年度の検体検査数が当初の予定より少なかったため。次年度に実施する外注検査に使用予定である。
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Research Products
(5 results)