2019 Fiscal Year Research-status Report
他国の語りに開かれた教育観を育成する社会科教員養成のデザインベースド・リサーチ
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19K14238
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金 鍾成 広島大学, 教育学研究科, 助教 (90825837)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 相互理解 / 社会科教育 / ヒロシマ / デザインベースド・リサーチ / 真正な対話 / 教科書 |
Outline of Annual Research Achievements |
批判的パトリオティズム、批判的教育学、対話的構築主義の概念を用いて相互理解の主体同士が行う実際の対話である「真正な対話」という概念を導くことができた。本研究では、国境を超える「真正な対話」として「より良いヒロシマ教科書づくり」プロジェクトをデザイン・実施した。主なデザイン原則としては以下の4点があげられる:①自らの語りを可視化させた後に新たな語りの可能性を示唆することで、既存の認知枠組みを揺さぶる。②子どもが自己と他者の語りを取り巻く(政治的な)文脈を捉えられるように支援する。また、それを分析・批判する機会を設ける。③内集団の探究/話し合いの結果を外集団の構成員に伝える機会を設ける。また、意見の行き来がつづくように支援する。④集団のナラティブを象徴し、かつ子どもに馴染みのあるものを対話の媒体に選定する。 上記のデザイン原則に基づいてデザイン・実施された日韓の社会科教員志望学生による「より良い『ヒロシマ』教科書」づくりの成果は以下の発表や論文としてまとめられている。 ・Kim, J., Kusahara, K., & Nam, H. (2019, October). Creating cross-cultural discourses: Korean and Japanese pre-service teachers “Make a Better Hiroshima Textbook,” Presentation to the Conflict and Identity Conference 2019, Oxford, UK. ・金鍾成(2020)「他者の語りに開かれた市民を育てる:「広島平和記念資料館の『The last 10 feet』再デザイン」プロジェクトと「より良い『ヒロシマ』教科書づくり」プロジェクトを事例に」教育哲学研究、第122号、pp. 12-18。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究協力者の協力のおかげで、予想より早くプロジェクトを済ませることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで、日韓と日米の人々における「より良いヒロシマ教科書づくり」プロジェクトを実施することができた。しかし、新型コロナウィルスの影響で、今後の海外渡航が厳しくなっている。そこで、3つの実践を行う予定を変更し、すでに行った2つの実践について追加のデータを確保し、そのなかでの参加者の学びを深く読み取ることにする。具体的には、個々人に対するインタビュー調査を行い、彼らがおかれている社会文化的な環境を踏まえた学びの分析を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度の研究が早く進み、2020年度の予算の早期執行を行った。早期執行額を少し多く見積もることで、差額が発生したと考える。差額は、2020年度の調査、特にプロジェクトの参加者に対するインタビュー調査に関わる費用(旅費、謝金など)に当てる。
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Research Products
(3 results)