2023 Fiscal Year Annual Research Report
縦断的アンケート調査を用いた外国人留学生の適応予測指標の探索
Project/Area Number |
19K14257
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岡崎 玲子 福井大学, 保健管理センター, 講師 (90647778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 留学生 / メンタルヘルス / 学生支援 / 大学生 / BMI / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では研究対象を外国人留学生としていたが、COVID-19パンデミック影響で日本への留学を中断または延期となった留学生が多く、留学生の継続的なリクルートが困難であった。当初の研究計画の遂行が困難であり、COVID-19 パンデミックが留学生を含む日本の大学生に与える影響について検討した。 COVID-19パンデミックは、世界中でさまざまな精神健康上の課題を引き起こし、若年層においては摂食障害患者の急増が報告された。休校や外出自粛による対人交流の減少などがその一因と考えられている。我々は、COVID-19パンデミックの影響について、全国4大学の入学生を対象とし、過去10年間(2012年度~2021年度)の健康診断データを基に反復横断研究を実施した。 その結果、パンデミック前と比較して、パンデミック後は性別や大学にかかわらず平均BMI(Body Mass Index)が減少し、低体重(BMI<18.5)の割合が増加、過体重(BMI≧25)の割合が減少していた。さらに、この傾向は男子学生においてより顕著であった。 体重減少の要因として、抑うつや不安、美容目的のダイエット、強迫的な健康行動、外出制限による生活の乱れ、経済的困難が考えられる。外出制限の影響でインターネットゲームに没頭するなど、生活リズムが乱れ、食事の回数や量が減少したことが影響した可能性がある。 これらの結果は、COVID-19パンデミックが大学生の精神健康および身体的健康に深刻な影響を与えたことを示唆している。体重減少の傾向は、従来の社会文化的要因だけでなく、パンデミックによる新たなストレス要因が影響を与えている可能性があることを示している。今後の研究では、これらの要因をさらに詳しく調査し、留学生を含む大学生の健康と適応を支援するための対策を検討していきたい。
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