2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of motivation maintenance support scheme for advanced English users
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19K14338
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Research Institution | Osaka Metropolitan University College of Technology |
Principal Investigator |
谷野 圭亮 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (70778589)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動機づけ / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の当研究は、2018年から続けてきた質問紙調査を基盤に展開されてきた。本年度は特に、新型コロナウイルスの大流行により、前半の研究スケジュールが大幅に遅延を余儀なくされた状況であったが、年間を通じて、高専の学生160人を対象とした質問紙調査を4度行うことができた。 これまでの調査の成果は、教育システム情報学会2022年度第2回研究会にて、「高専における英語学習者の動機づけと学力推移の関係についての調査研究」として発表した。これは研究の進行中における重要なステップであり、学会参加者から得たフィードバックを今後の調査、分析に活用することで、より詳細で具体的な分析へとつなげることが期待される。 追加調査の結果、学習者の動機づけと学習成果の関係については、概ね先行研究を支持する結果が得られた。しかし、一部には先行研究と相違する結果も見られ、その部分については、今後詳細な分析が必要であると認識している。 この結果を踏まえ、次のステップとしては、先行研究との相違点を探ると共に、その要因を明らかにすることである。 先に述べたとおり、本研究の一部で先行研究と相違する結果が見られ、その要因を明らかにする必要性が浮かび上がってきている。そのためのアプローチとして、当研究チームでは追加収集した量的データの詳細な分析と、質的調査を行うことを計画している。量的データだけでは取りこぼしや誤解を招く可能性があるため、量的データ分析と並行して、質的な調査も行う。これにはインタビューや観察などが含まれる。特にインタビューでは、学生の個々の経験や感情、学習に対する意識など、質問紙調査では捉えきれない細かな要素を取り出すことが可能となる。これらの調査により、学生たちの学習動機と学力推移の関係についてより深く理解することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の遅れの主要な原因として、新型コロナウイルスの流行による影響が挙げられる。その具体的な影響は、学校機能の複雑化と教員の多忙化の二つの側面に現れている。 新型コロナウイルスの流行に伴い、学校が一時的に閉鎖され、対面での調査が困難な状況が生じた。これにより、質問紙調査やインタビューといった本研究の主要な手段が大幅に制限される結果となった。さらに、オンラインでの教育への切り替えや感染防止策の導入など、教員の業務が増大し、その結果、研究時間が確保できない状況が続いた。 しかし、新型コロナウイルスが2023年度に5類に移行されたことにより、学校の機能停止や教員の多忙化が緩和されると予想される。これにより、本研究の遅れは解消され、計画通りに研究活動を遂行することが可能となると予見される。また、これまでの経験から得た教訓を生かし、同様の状況下でも研究を続けるための戦略を練ることも重要であると認識している。 今後は、研究の進行を妨げる外部要因に対する対策を見直し、引き続き高専の学生に対する英語学習の動機づけと学習成果との関連性についての研究を深めることを目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進については、以下のようなアプローチを取ることを計画している。まず、追加調査を続けることが重要である。新たなデータを収集することで、学習者の学習動機や学習成果の最新の状況を把握し、時間の経過とともに変化する学習環境に対応することが可能となる。これにより、現在進行中の教育システムや学習者のニーズに合わせた研究をさらに進めることが可能となる。 また、追加調査を進める一方で、これまでに蓄積したデータの分析と再分析も重要なステップとなる。ここで重視すべきは、各学力段階における学習者の学習意欲との関連性である。これにより、各学力段階に応じた意欲向上策を練ることが可能となる。この分析結果を元に、具体的な教育実践に生かすための実証研究を行う。これには、新たに提案された教育方略を実際の教育現場で実施し、その結果を分析することが含まれる。 これらの取り組みを通じて、学習者の学習意欲と学力の推移の理解を深め、それを具体的な教育方策に結びつけることが目指される。その過程で蓄積される知見は、学習者の動機づけと学習成果の向上に対する有用なフィードバックを提供するとともに、高専教育の質の向上に寄与するものと期待される。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で調査研究が長引き、その結果として分析が計画通りに進まなかったことが、予算未消化の主な原因である。
具体的には、予定していた学会等での発表が実現できなかったため、そのための旅費が未使用となった。研究成果の分析が終わらず、それをまとめた発表資料を作成することができなかったからである。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一部学会がオンライン開催に切り替えたことも、次年度消費額が生じた要因の一つである。 ただし、この未消化分の予算については、今後の研究活動や発表活動に活用することが可能である。発表旅費は今後の学会出席費用に充てる。また、新型コロナウイルス流行の沈静化に伴い、これまでに収集したデータの分析や再分析に、より多くの時間とリソースを投資することも可能となり、より深い研究結果を得る機会となると予想される。
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Research Products
(1 results)