2020 Fiscal Year Annual Research Report
再雇用高齢労働者の自律的就労動機づけの維持・向上要因に関する縦断的研究
Project/Area Number |
19K14355
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
堀口 康太 白百合女子大学, 人間総合学部, 講師 (80808626)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再雇用 / 高齢者 / 自律的動機づけ / 縦断研究 / 再雇用労働者 / 動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は同じ企業で定年退職後、引き続き雇用され就労している高齢者(再雇用高齢者)を対象として、高齢者が自ら主体的に仕事へと取り組む姿勢である自律的動機づけに関連する職場要因を検討し、再雇用高齢者の仕事への自律的動機づけを促進するために役立つ知見を提供することであった。職場要因として想定したものは、上司からの公正な評価を受けているという組織的公平性(Shibaoka et al., 2010)、上司や同僚、家族・友人からのサポート(下光他, 2000)、職場での役割があいまいであるか、異なる役割に葛藤があるか(舟島他, 1997)という側面であった。 最終年度は、2020年8月から9月までの期間で、1年目調査と同じ60歳以上で定年退職前と同一の企業で再雇用されて働いている高齢者(再雇用高齢者)を対象として調査を実施した。分析においては、1年目の動機づけを制御変数として、1年目測定時点の各種の職場要因と2年目の動機づけの得点の関連を検討した結果、組織的公正性が自律的動機づけと関連していた。加えて、同僚からのソーシャルサポートも「獲得・成長」という個人的な成長を志向する自律的動機づけと関連していた。 以上の結果から、再雇用高齢者の自律的動機づけを促進するには、上司からの公正な評価があり、同僚からはサポートを得られているという感覚が必要であり、立場によって異なるサポートが必要であることが示唆された。本研究の結果については、今年度中の学会発表や学術論文としての発表に向けて作業を進めており、一部はすでに学術論文として投稿し、審査中である。
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