2022 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of help-receiving skill and disaster risk reduction: Development of a tool "DARECA" for easing to get help in a disaster
Project/Area Number |
19K14360
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
針金 まゆみ 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50595006)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防災 / 援助要請態度 / 援助要請行動 / ソーシャルサポート / ソーシャルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
災害が発生したとき誰に助けて欲しいかを事前に書き留めておくことは減災につながる。「DARECA」に書き込むことで、もしものための備えをしているという安心感が得られる。財布や非常用持出袋に入れた「DARECA」を確認すれば、誰に助けを求めればよいかがわかる。災害時、途方に暮れている人の「DARECA」を一緒に確認すれば、必要な援助につなぐことができる。本研究の目的は、災害時に助けを求める「誰か」を書き留める「DARECA」を開発することにより、住民の受援力を向上し減災につなぐことである。 本研究は、災害が発生したとき誰に助けて欲しいかを事前に書き留めておくツール「DARECA(仮)」を開発し、その活用によって受援力を高め、減災につなげることを目的とする。さらに、本研究が開発するツールは、災害前の安心感を高め、災害発生後の連絡先を明確化し、災害後に必要となる助けを受け入れる心構えにつなげるという、多面的に減災へアプローチしようとするものである。 2021年度は2020年度に引き続き、先行研究レビューを通して、災害時に発生した困りごと、災害時に経験した援助内容、及び、受援力や援助要請態度を測定する尺度の収集を行った。収集した災害時の困りごと及び経験した援助内容をもとに、半構造化面接による予備調査のための調査票案を作成している。あわせて、Kelly et al.(1995)のカウンセリング利用意図調査票にならい「もしこの困りごとが生じたら誰かに助けを求めるか」「もしこの困りごとが生じているときに誰かから助けを申し出られたら助けを受けるか」を尋ねるツール、災害時困りごと調査票案を作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は2019年度から3年間で実施する計画の研究であり、2022年度は4年度目にあたる。2022年度の計画では、2021年度に引き続き、先行研究レビュー、機縁法による予備調査、Webによる予備調査、グループワークを実施することが、目標であったが、予備調査をいずれも実施できなかったことから、研究が遅れていると判断した。 理由としては、予備調査の実施形態の変更に伴い、情報収集を継続することとしたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度および2020年度に予定していた調査を実施する。 予備調査(機縁法)は機縁法にて、8名前後を対象とした半構造化面接を予定している。調査内容は、災害時に発生しうる困りごと、援助内容及びこれらに関連する項目とする。 予備調査(Web)は、北海道、熊本、福島など都道府県を限定し、2011年以降、災害により被害を受けた人を、災害ごと(地震災害、津波災害、風水害、原子力災害)に100名程度を対象にインターネット調査を予定している。調査内容は、基本属性、被災内容、災害で生じた困りごと、災害で体験した援助、援助要請態度尺度等レビューで収集した項目とする。 グループワークは機縁法にて、8名前後を対象としたグループワークを行う。予備調査で得られた結果をもとに、ツール案に取り上げる項目について、優先度を検討し取捨選択する。 本調査は、インターネット調査にて対象者を2群に割り当て、それぞれ8週間に4回調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:2022年度までに実施する予定であった調査を実施できなかったため。 使用計画:2022年度に実施できなかった2種類の予備調査および本調査を2023年度中に実施し、2022年度未使用額は、すべてこれら調査に使用する。 予備調査(機縁法)は機縁法にて、8名前後を対象とした半構造化面接を予定している。調査内容は、災害時に発生しうる困りごと、援助内容及びこれらに関連する項目とする。予備調査(Web)は、北海道、熊本、福島など都道府県を限定し、2011年以降、災害により被害を受けた人を、災害ごと(地震災害、津波災害、風水害、原子力災害)に100名程度を対象にインターネット調査を予定している。調査内容は、基本属性、被災内容、災害で生じた困りごと、災害で体験した援助、援助要請態度尺度等レビューで収集した項目とする。グループワークは機縁法にて、8名前後を対象としたグループワークを行う。予備調査で得られた結果をもとに、ツール案に取り上げる項目について、優先度を検討し取捨選択する。本調査は、インターネット調査にて対象者を2群に割り当て、それぞれ8週間に4回の調査を予定している。
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