2021 Fiscal Year Research-status Report
重度精神障害者を介護する家族の感情評価尺度の開発ー介護過程の曼荼羅的理解ー
Project/Area Number |
19K14420
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
白石 直 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30632989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年11月に2回目のデータ収集を実施し、精神病患者家族に関する調査のデータセットを2021年度の研究の成果として完成させた。当初の研究実施計画では、名古屋市立大学の精神科病床を有する教育関連病院18施設と研究協力が得られた愛知・岐阜・三重の精神障害者家族会でデータを収集する予定とした。しかし、前年度から引き続きCOVID-19の感染流行の収束を見ないため、感染拡大の危険性のある実地調査の中止をやむを得ず判断し、インターネット調査を実施した。 インターネット調査により、精神病患者の兄弟姉妹や配偶者を含む全国規模の代表的なサンプルのデータが欠損値なく得られた。項目は、開発中の尺度であるCare-Related Emotion Assessment Measure(CREAM)に加え、家族のポジティブ・ネガティブ感情、介護負担、首尾一貫感覚、抑うつ、不安および患者の機能障害を測定した。その測定から2週間後の時点で、CREAMのみを再測定した。また、患者と家族の属性データを調査した。現在、CREAMの因子構造を探索し内的一貫性を検討するため、探索的因子分析とクロンバックα係数を、因子構造を確認し再テスト信頼性、収束的・弁別的妥当性を検討するため、確証的因子分析、級内相関係数とピアソンの相関係数を統計解析している。 本調査のデータは、新規尺度の尺度特性の確立に寄与し、精神病患者の介護負担と関連した家族の感情をネガティブ感情のみならず、ポジティブ感情との関連から解明しうる点で重要といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規尺度の開発に必要なデータ収集を完了させ、信頼性と妥当性の検討を目的とする統計解析を進められているため
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Strategy for Future Research Activity |
統計解析が完了し次第、論文を執筆・出版して本研究の成果を社会に還元する。新規尺度の十分な信頼性と妥当性を示せない場合も、データセットを用いて精神病患者家族のポジティブおよびネガティブ感情と関連する要因を解析して論文を作成する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、2回目のインターネット調査を本年度中に計画して実行したためである。
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