2019 Fiscal Year Research-status Report
父親の産後うつ病を予防するインターネット認知行動セルフヘルププログラムの開発
Project/Area Number |
19K14467
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
中嶋 愛一郎 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 精神リハビリテーション部, チーフレジデント (40838968)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 周産期 / 父親 / メンタルヘルス / テキストメッセージ / ウェブサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、父親の周産期のメンタルヘルス不調の予防を目的とした、ウェブサイトとテキストメッセージの作成と、その効果検証を目的としている。 本年度は主に、効果的なコンテンツを作成するための情報収集、コンテンツの作成、効果検証のための研究デザインの検討を行った。 海外では、University of Newcastle (Callaghan, Australia)のRichard Fletcher博士が父親向けのテキストメッセージを作成し、効果検証を行っている。博士らは、父親をサポートするためのメッセージの内容として、”子どもとの関わり方について””パートナーのサポートの方法について””自分自身のケアの方法について”の3つのカテゴリーが重要だと述べている。博士らに連絡を取り、テキストの具体的な内容について相談した。また、日本国内の今までの父親のメンタルヘルスに関する文献や書籍のレビューを行った。さらに、周産期の女性の孤立を防ぎ、正確な情報を届けるために市町村と協力してテキストメッセージを配信している特定非営利活動法人きずなメール・プロジェクトと連携し、周産期の父親のメンタルヘルス不調を予防するために有効なテキストメッセージの内容について検討し、テキストメッセージを作成した。また、蟹江絢子(精神神経疾患研究開発費 認知行動療法を国民につなげる研究 代表堀越勝)が主に作成した認知行動療法のスキルを周産期の両親に届けるためのウェブサイト(knowell family: https://www.ncnp.go.jp/cbt/knowell/)内に、父親向けの記事を作成した。テキストメッセージ内にウェブサイトへのリンクを貼り、テキストメッセージとウェブサイトを連携させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、当初の予定通り、効果的なコンテンツを作成するための情報収集、コンテンツの作成を実施した。また、コンテンツの効果検証に向けた研究計画の立案を行い、研究実施に向けて国立精神・神経医療研究センター倫理委員会での承認を得て、株式会社楽天インサイトと実際の研究実施について打ち合わせを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
テキストメッセージの効果検証を行うと同時に、knowell familyサイト内の父親のメンタルヘルスに役立つ認知行動療法のスキルに関する情報を充実させていく。
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Causes of Carryover |
今年度必要になる予定だったコンテンツの効果検証にかかる費用を、コンテンツ運用上の理由で次年度に持ち越した。コンテンツの一部であるウェブサイトは、情報を更新していく特性のため、次年度以降も作成費用が必要になった。また、学会発表の準備が一部遅れたため、発表に関係する費用を次年度に持ち越した。 上記、当初の研究計画段階では予期できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、コンテンツの効果検証、ウェブサイトの充実、学会発表等で研究費を使用する予定である。
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