2020 Fiscal Year Research-status Report
高速周波数ホッピングのテンソル遅延検波による低干渉な無線秘匿通信
Project/Area Number |
19K14987
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石川 直樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00801713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 無線通信 / 情報理論 / 大規模アンテナアレイ / 差動符号化 / 遅延検波 / 空間変調 / インデックス変調 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の成果は計4編の論文としてIEEEのQ1国際誌に投稿し、年度内に2編が採録判定に至っている。採録となった2編について概要を以下に記す。 [成果1] 非正方差動符号化の軽量検出器の提案およびエラー伝搬も含めた平均ビット誤り率の代数的解析に成功。 [成果2] DFT-s-OFDMインデックス変調の基礎特性解析と帯域外輻射の低減に成功。 [成果1]では遅延検波を用いる独自方式である非正方差動符号化について、平均ビット誤り率の代数的導出に成功した。非正方差動符号化はエラー伝搬の影響を受けるため一般に解析は困難であるが、送信ブロック符号を制限することで場合分けを単純化し導出が可能となった。また、検出処理の時間計算量を75~97%削減可能な軽量検出器を提案した。順列行列のパターンおよび送信シンボルを閉形式で計算するため飛躍的な簡易化が可能となった。解析がより難しいアンテナホッピングの場合を対象としているが、サブキャリアホッピングの場合に容易に拡張できる。[成果2] では第5世代移動通信システム(5G)の上りリンクで採用されている離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFT-s-OFDM)に対してサブキャリアホッピングに基づく変調方式を適用した。送信信号系列がスパースである点を特徴としており、従来方式と比べて周波数ダイバーシティと周波数オフセットに対する耐性を同時に改善した。また、マルチアンテナ通信に拡張可能な方式を提案し、これも従来方式と比べて高い信頼性を達成できることを確認した。さらに、スパースな構成とユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC)を組み合わせることで帯域外輻射の低減に成功した。 その他、ホッピングに基づく通信方式であるインデックス変調に関してチュートリアル講演を行い、講演スライドをresarchmapで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では2020年度中に成果1のみを明らかにする計画であったが、加えて成果2も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に特に多くの成果が得られ、2020年度も順調に研究が進展している。最終年度である2021年度は更に挑戦的な研究課題に取組み、提案コンセプトの可能性を模索する。
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Research Products
(6 results)