2022 Fiscal Year Annual Research Report
腐食鋼桁端部のRapid-Response当て板補修工法とそのガイドラインの開発
Project/Area Number |
19K15076
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森山 仁志 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (50825495)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構造工学・地震工学 / ブラインドボルト / ワンサイドボルト / 補修・補強 / 当て板 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,ブラインドボルトの引張数値解析,研究成果の取りまとめおよび公表,国内ブラインドボルト製造メーカーのエンジニアとのヒアリングを中心に行った.また,長期リラクセーション試験の実施準備,当て板補修部に不陸調整材(エポキシ樹脂)を使用した際のエポキシ樹脂と高力ボルトの併用接合の接合部耐力の実験実績調査も行った. 本工法で使用するブラインドボルト(10.9 Class,M24)は,引張抵抗はF8T-M16高力ボルト相当,せん断抵抗はF10T-M24高力ボルト相当,導入可能な軸力は60kN程度の性能を有していることが明らかとなった.したがって,このボルトは,高い軸力をファスナーに期待する摩擦接合継手ではなく,摩擦力による荷重伝達を大きく期待しない当て板補剛部,支圧接合や接着接合と摩擦接合による併用接合を用いた当て板補修部に適したファスナーであることがわかった.また,ヒアリング調査より,本ブラインドボルトは再利用ができ,締付け・取り外しが容易であることから,片側施工を要する部材接合部の仮ボルトにも使用できる可能性が示された.すなわち,既存の高性能なワンサイドボルトと本ブラインドボルトを組合わせ使用することで,効率的な当て板工法が可能であると考えられる. 研究期間全体においては,引張部材および鋼I桁端部を対象とした当て板補修部の耐荷メカニズムを調査し,効果的な補修位置や当て板構造諸元に関する知見を示している.また,当て板補修部の設計に継手の設計を準用せず,残存部材と当て板の合成断面に対して構造設計をしても,鋼I桁端部の耐荷力は健全状態まで回復できることを確認したことは貴重な検討結果であると考える.併せて,携行性・ハンドリング性・価格に優れるブラインドボルトを活用することで,即時性に優れた当て板工法が実現可能であることを示したことは,本研究の代表的な成果の一つと考えている.
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Research Products
(5 results)