2021 Fiscal Year Annual Research Report
ジオタグ付きTwitterデータを用いた都市生活者の暑熱環境に対する意識の分析
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19K15152
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
熊倉 永子 国土技術政策総合研究所, 都市研究部, 主任研究官 (90716135)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SNSデータ / 温冷感 / 熱中症 / Twitter / 人流データ |
Outline of Annual Research Achievements |
都市生活者が暑さを感じる時間帯や場所等の特徴について分析した。2011から2019 年の7、8月に投稿された緯度経度の位置情報付きのツイートの中から、「暑い」の単語を本文に含むものをTwitter社のAPIを用いて約3万6千件取得した。 携帯基地局で取得された1時間ごとの人流データと、行政アンケートによる年代別のTwitter利用率を用いて、4次メッシュごとに集計したTweet数をTwitter利用者数で除した「暑い」投稿率[件/時・10万人]を算出した。 その結果、平日は休日に比べて投稿されるエリアが広く、休日は特定の場所に集中している傾向にあった。投稿される時間帯は、平日は朝の通勤時間と昼に投稿のピークが見られるが、休日は昼のみにピークがあり、平日に比べると午後の投稿も多かった。投稿場所の用途地域は、平・休日共に、投稿率が高いほど「商業用地」と「駅」の割合が増え、「住宅用地」の割合は減少した。休日では、投稿率が高いほど「公園・運動場等」の割合も増加傾向にあった。 これらの傾向から、平日と休日では、「暑さ」を投稿する場面が異なると考えられ、特に投稿が多かった「暑い」投稿率が上位10%のメッシュの中から、平日は129回以上、休日は57回以上(3日に1回以上相当)投稿された場所を抽出した。また、形態素解析により「暑い」の共起ワードを抽出した。これらより、平日は通勤や外回り等の移動時に感じる暑さを投稿する傾向にあり、休日は観光で訪れた場所での投稿をきっかけに暑さを投稿する傾向が見られた。 Twitter利用者は、10~30代が多いため、今回の結果については、活発に活動する年代に対する暑熱対策に適すると考える。「暑い」を含むTweetの多くは屋外から投稿されているため、今後は、移動経路との関係や、暑熱対策の有無による人々の反応の違いなど、街区スケールでの分析や暑熱対策効果の試算を行う。
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Research Products
(2 results)