2019 Fiscal Year Annual Research Report
TDM解析を基盤とした、リウマチ治療における生物学的製剤適正使用法の確立研究
Project/Area Number |
19K16445
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
傳田 将也 京都大学, 薬学研究科, 特定助教 (00813891)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 生物学的製剤 / インフリキシマブ / 二次無効 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、関節リウマチ治療に用いられる生物学的製剤の血中濃度と治療効果の相関を明らかにすることを目的としている。生物学的製剤の一つであるインフリキシマブを用いた関節リウマチ治療で、血清中インフリキマブ濃度と治療効果に相関があることは近年明らかになりつつある。しかしながら関節リウマチが臨床的寛解に達した患者において、インフリキマブ投与中止・減量後の再燃リスク因子は明らかになっていない。そこで再燃リスク因子の解明を指向し、インフリキシマブ投与中止・減量時の当該薬物濃度および治療効果に影響を及ぼす抗薬物抗体の発現量と、中止・減量後の疾患活動性に関する相関探索研究を立案し、研究を行った。研究方法としては、京都大学医学部附属病院リウマチセンターで収集している関節リウマチ患者データと大学院医科学研究科薬剤学分野が利用するインフリキマブ濃度測定法であるn-SMOL法を組み合わせ実施した。今年度の検討で、インフリキマブによる治療で効果があった群と効果がなかった群の2群に分類し、血中濃度を確認したところ、効果を示した群で血中濃度が高いことが明らかになった。この結果から、治療効果とインフリキマブ血中濃度に関してROC曲線を作成し、効果を示す血中濃度の算出を行い、効果を示す血中濃度以上の群とそれ以下の群に分類し、治療効果の推移を追跡した。その結果、両群とも一度は寛解に到達するが、血中濃度が高い群では寛解を維持し、低い群では再燃する傾向が明らかになった。さらに抗薬物抗体の発現が陽性と陰性の群を比較したところ、陰性群で治療効果を示す割合が大きいことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)