2020 Fiscal Year Research-status Report
頚動脈小体化学受容細胞の小胞型ヌクレオチド輸送体による神経伝達制御機構の解明
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19K16482
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
横山 拓矢 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70772094)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 頚動脈小体 / 低酸素 / 免疫組織化学 / 小胞型ヌクレオチド輸送体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットへ24時間までの低酸素曝露を行い、時間経過による頚動脈小体のVNUT発現変化を免疫組織化学によって解析した。ラットを0(対照群)、2、4、6、12および24時間の低酸素(10% O2 in N2)曝露後に頚動脈小体を採材し、VNUT陽性反応の蛍光強度を解析した。対照群および2、4時間曝露群においてVNUT強陽性反応を示す化学受容胞が散在性に観察されたが、6、12、24時間曝露群ではほぼ全ての化学受容細胞がVNUT強陽性反応を示した。VNUT陽性化学受容細胞の平均蛍光強度は、6、12、24時間曝露群では対照群に比べ有意に増加し、このうち、12時間曝露群は6、24時間暴露群と比べ有意に増加した。以上のことから、化学受容細胞におけるVNUTの発現が低酸素曝露により亢進されることで、ATPの小胞分泌による頚動脈小体の興奮伝達が増強されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低酸素曝露6時間以降から化学受容細胞におけるVNUT陽性反応の蛍光強度が増強することを明らかにした。一方で、頚動脈小体スライス標本と蛍光標識ATPを併用したVNUTの機能解析実験が難航している。頚動脈小体に分布する感覚神経(頚動脈洞枝)の活動記録実験は、側臥位で頚部切開することによって頚動脈洞枝の剖出が可能となったものの、神経活動の導出が難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫組織化学と電子顕微鏡観察により化学受容細胞の有芯小胞膜にVNUTが発現することを明らかにする。VNUTの機能解析実験は、酵素消化により頚動脈小体から分離培養した化学受容細胞を用いて実験を継続する。
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